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2017 年度 実施状況報告書

高機能自閉スペクトラム症当事者の性行動に関する尺度の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K04804
研究機関北海道教育大学

研究代表者

萩原 拓  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00431388)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード自閉症スペクトラム障害
研究実績の概要

前年度に引き続き、高機能自閉症スペクトラム障害(HFASD)に関わる性行動の実態と性教育の実践についての調査を行った。愛知県日間賀島における中京地域の発達障害をもつ子ども及び青年たちのための合宿では、主に対人関係、友人関係および余暇に関する適応行動について、ASD当事者の実態把握、また、支援者にとっての課題を中心に情報収集をした。また、アメリカで行われたASDに関連する国際学会に参加し、本研究テーマに関するシンポジウムやポスター発表などで研究者たちとの情報交換をした。
国際的動向として、ASDの性行動に関する研究や支援実践は、主に青年・成人期の当事者の現在において、また彼らのライフステージを通した検討が中心となっている。しかし、思春期におけるアセスメントや予防的支援などには至っていない。普通教育における性に関する情報提供や性教育が限定されていることに加え、普通教育環境にいるASDを含めた発達障害特性を持つ青少年への性に関する教育的アプローチはほぼ皆無である。一方で、ASD当事者の中では少数派である女性の性行動をテーマとした研究は飛躍的に増加傾向であることがわかった。
29年度は、ASDの性行動を把握するための尺度項目をできるだけ具体的に絞り込む予定であったが、当事者やその家族に性に関して質問することの困難性やその実態の多様性がこれまでの調査で把握できたため、限定的かつ特異的な社会性に関する特性を持つ当事者の性行動を把握するアプローチを再検討することが中心となった。最も実践的に可能と思われるアプローチは、適応行動や感覚処理特性などの「見える」行動や振る舞いから当事者の性行動実態および支援の必要性を推測することであると現時点では結論付け、包括的アセスメントの一部として、より詳細な性行動に関する特性把握が可能な具体的質問項目を特定する作業へと若干の方向修正を行ってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究でこれまでに得たデータから、性に関して直接的情報収集するアプローチは難しいことが示唆されるため、より包括的なアプローチを採択することとしたため。この修正は本研究のテーマに沿った遂行において適切なものと判断した。研究全体の進捗には問題ない。

今後の研究の推進方策

既存のさまざまなアセスメメント・ツールを利用しつつ、より性行動に関したデータを収集可能な包括的アプローチの完成を目指す。尺度項目の確定とデータ収集を行い、その実用性を検討して行く。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 成人自閉スペクトラム症の女性への発達支援プログラムー自閉スペクトラム症女性の障害特性に注目してー2017

    • 著者名/発表者名
      三宅篤子、金井智恵子、黒田美保、萩原拓
    • 学会等名
      日本発達心理学会第29回大会
  • [学会発表] 成人期の発達障害2017

    • 著者名/発表者名
      萩原拓
    • 学会等名
      弘前大学子どものこころの発達研究センター研修
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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