本研究は、高機能自閉スペクトラム症(HFASD)当事者の性行動に関するアセスメント手段を検討した。国際的には、定型発達と比べて顕著なHFASDの性発達や性行動の特異性は認められておらず、ソーシャルスキルや日常生活スキルなど、適応行動全般に含まれる適応課題や困難性と捉えるべきである。HFASD当事者や家族、支援者に対しての調査結果から、HFASDの性行動アセスメントは、複数の標準化尺度によるアセスメント・バッテリーによる包括的アセスメントから性行動問題の有無、または将来的に問題となりうる可能性を分析し、さらに詳細なアセスメントはチェックリストによる半構造化面接を実施するアプローチを構成した。
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