研究課題/領域番号 |
16K04810
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
菅井 裕行 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (90290890)
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研究分担者 |
土谷 良巳 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (00142000) [辞退]
岡澤 慎一 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (20431695)
中村 保和 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60467131)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 先天盲ろう / コミュニケーション / 共創 / ケースストーリー / 特別支援教育 |
研究実績の概要 |
本研究は先天盲ろう児におけるコミュニケーション発達において必要となる観点を、主に北欧圏で研究されてきたパラダイムイムに基づいて、共創コミュニケーションと名付け、この観点に基づく多様なコミュニケーション手段の獲得へと至る教育方法について、これまでに蓄積してきた我々のデータベースを土台として、方法論的に分析し、構造的な支援方法を開発することを目的としている。 本年度の研究実績は、「共創コミュニケーション」研究のパラダイムに関する検討と、昨年度に引き続き、長期にわたる実践研究のリフレクションの二つの内容からなる。一つ目として、昨年度の研究に引き続き、北欧における共創コミュニケーション研究のパラダイムを、オランダのケンタリス(ろう教育専門センター)が出版した「コミュニケーションと先天盲ろう」の翻訳作業を通じて再検討し、研究分担者各自がまとめた実践研究の成果を確認し合った。その際、昨年度オランダGroningen大学から招聘したMarleen Janssen博士からのコメントを参考に、我々が作成したデータベースの内容を再整理した。この内容については、2019年度にオーストラリアで開催される盲ろう国際学会において、Marleen Janssen博士の計らいによってプレカンファレンスで発表できることとなった。二つ目として、昨年度同様に各研究分担者がこれまで取り組んできた実践研究について、各自が比較的長期にわたる係わり合いに基づく1事例を取り上げ、ケースストーリー研究の手法を参考にしつつ、経過をまとめ、発表しあった。本年度の事例は研究代表者である菅井によるケースストーリー研究(盲ろうでかつ肢体不自由も有する重度・重複障害事例)であった。次年度は残る一つのケースストーリー研究(土谷氏)について発表・討論を行い、その内容を「共創コミュニケーション」の視点から整理・検討してまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実勢の概要にも記したとおり、データベースの内容を再整理した内容を、2019年8月にオーストラリアで開催される国際盲ろう学会(Deafblind International World Conference)にて発表するように依頼を受けたことから、研究期間を1年延長して、2019年度までの研究とした。ここまでの成果と本年度の成果を本年度中に総括して報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
さらに一つのケースストーリー研究について発表・討論を行い、これまでに発表・協議・検討した三つの報告についても各発表内容を論文化し、それらすべてを「共創コミュニケーション」の視点から整理・検討して研究成果としてまとめる。さらに本年国際学会のシンポジウムで協議されるであろう内容についても報告文を作成し、これも報告書に掲載する予定である。一昨年度大学を退職した元研究分担者には、引き続き研究協力者とし て研究への参加を要請し、進めていくことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
1年延長して、2019年度に国際学会に参加することとしたことから、そのための旅費を確保した。
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