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2018 年度 実績報告書

発達障害を重複する吃音の子どもの実態‐発達的変化の追跡調査‐

研究課題

研究課題/領域番号 16K04812
研究機関筑波大学

研究代表者

宮本 昌子  筑波大学, 人間系, 准教授 (70412327)

研究分担者 小林 宏明  金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
酒井 奈緒美  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 研究室長 (60415362)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード吃音 / 学齢児 / 発達障害 / 注意欠陥・多動性障害 / 学習障害 / 自閉症スペクトラム / ことばの教室 / 通常学級
研究実績の概要

吃音には様々な障害が重複することが報告され(Bloodら,2003),効果的な支援法が検討され始めている。特に欧米の調査では吃音の4~26%がADHD等の発達障害と重複し,障害特性に合った介入が求められると報告されるが,日本では実態が明らかにされず具体的な支援方法は模索の段階である。本研究では,発達障害を重複する吃音の出現率を明らかにする,吃音症状と発達障害の特徴の変化に基づいた群分けを行うことを目的とし,発達障害が重複する吃音のある子どもの実態調査を行うこととした。関東地方の言語障害通級指導教室(東京都75,埼玉4,神奈川1教室)に教員用と保護者用の質問紙を送付した。教員用の質問紙には「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について(文部科学省,2012)」で用いられた「学習面」と「行動面」に関する児童生徒の困難な状況について尋ねる計75項目,児童の概要に関して尋ねる5項目が含まれた。保護者に対しては児童の発達について5項目の回答を求めた。28教室の教員93名,保護者94名からの回答が得られた。教員が担当する吃音を主訴とした児童の総数は330名,うち吃音以外の問題を重複すると回答された児童は137名(41.5%),質問紙を実施した結果,発達障害の重複が推測される児童は35/100名(35.0%)であった。保護者から回答が得られた94名中,発達障害の医学的診断歴のある者は13名(13.8%)であった。通常学級の児童生徒を対象にした調査結果(学習面 又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は推定値6.5%)(文部科学省,2012)と比較し,本研究での結果は35.0%と明らかに高い傾向がみられた。現段階ではサンプル数が少ないが吃音のある児童の中に発達障害の重複が疑われる児童が3~4割程度存在する可能性が示された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] クラタリング・スタタリングを呈する児童の発話特徴―構音速度と非流暢性頻度の測定―2019

    • 著者名/発表者名
      宮本昌子
    • 雑誌名

      音声言語医学

      巻: 60 ページ: 30~42

    • DOI

      https://doi.org/10.5112/jjlp.60.30

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 吃音の理解と支援 : 症状と原因、周囲の配慮や専門家・支援者の関わり (特集 うまく話せない子、「あがり」・吃音・緘黙の専門家による治療と援助)2018

    • 著者名/発表者名
      小林宏明
    • 雑誌名

      児童心理

      巻: 72 ページ: 1246-1252

  • [学会発表] クラタリング入門と実践,吃音との合併への対応2018

    • 著者名/発表者名
      宮本昌子
    • 学会等名
      日本音声言語医学会総会・学術講演会ポストコングレス
    • 招待講演
  • [学会発表] 発達障害を伴う吃音の指導・支援(3)―クラタリング(早口言語症)への取り組み―2018

    • 著者名/発表者名
      宮本昌子・富山 丈路;・須藤 史晴・小林宏明・酒井奈緒美
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第57回大会自主シンポジウム
  • [学会発表] International Cluttering Association Forum: 10 Years of Successful Collaboration2018

    • 著者名/発表者名
      Isabella Reichel, Grace Ademola-Sakoya, Veronique Aumont Boucan, Judit Bona, Jaqueline Carmona, Marjan Cosyns, Yulia Filatova, Maisa Haj-Tas, Pallavi Kelkar, Shoko Mayomoto,Yvonne van Zaalen その他9名
    • 学会等名
      2018 Hiroshima Joint World Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] Treatment of Cluttering Based On Rhythmic Synchronization2018

    • 著者名/発表者名
      Shoko Miyamoto, Shinako Yamazaki, Setsuko Imatomi
    • 学会等名
      2018 Hiroshima Joint World Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 吃音臨床はじめの一歩2018

    • 著者名/発表者名
      小林宏明
    • 学会等名
      第19回日本言語聴覚学会
    • 招待講演
  • [図書] 特別支援教育〔第3版〕2019

    • 著者名/発表者名
      柳本 雄次,河合 康(編著),須藤典征,浦﨑源次,石田祥代,小林宏明, 他12名
    • 総ページ数
      234
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      978-4-571-12136-4
  • [図書] クラタリング[早口言語症]2018

    • 著者名/発表者名
      森浩一・宮本昌子(監訳),小林宏明,酒井奈緒美,他10名訳
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      学苑社
    • ISBN
      978-4-7614-0800-8

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公開日: 2019-12-27  

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