研究課題/領域番号 |
16K04814
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川間 健之介 筑波大学, 人間系, 教授 (20195142)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 二分脊椎症 / 教科学習 / WSC-Ⅳ / 標準学力検査 |
研究実績の概要 |
研究を進めるにあたって、研究協力を得る筑波大学附属桐が丘特別支援学校の管理職、教員の意見、及び学校としての研究の実現性を考慮して、研究実施計画を若干変更した。また、同校の教員8名に研究協力者となっていただき、データの収集ににあたってもらい、おおよそ学期に1回研究会を行った。また、海外の二分脊椎症児の教育を把握するために、台湾の南投特殊教育学校、和美実験学校を視察した。 現在、研究は次のように進んでいる。研究1「二分脊椎症児の認知特性および学力についての文献研究」については国内外の文献を収集中である。研究2「二分脊椎症児の教科学習の困難の把握」については二分脊椎症児の教科指導の経験のある20名の教員から聞き取りを行った。各教科ごとの困難とその対応および学校生活全般についての困難とその対応についてである。分析中であるが、忘れっぽい、注意が散漫である等の意見が多い。研究3「二分脊椎症児の認知特性」については、WISC-ⅢおよびWISC-Ⅳについて20名のデータを収集し、分析中である。PVLのように視知覚認知の問題、同時処理の困難があると仮説を立てていたが、符号の成績によっていくつかのサブタイプがあると思われる。研究4「二分脊椎症児の教科学習における困難」については、算数・数学について延べ20名の標準学力検査の結果を分析中である。算数について、PVLと同様に小学校3年から4年あたりから健常児と成績が開いている。どの分野に困難があるかまでは分析できていない。 研究5「二分脊椎症児の認知特性と教科の習得度の関係」については、研究3及び4を終えてからであるが、予備的にWISCと標準学力検査の結果の対応を検討した。 以上が2016年度に取り組んだことである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1,2,3,4は予定通りデータの収集が進んでおり、おおむね予定通りと判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
2017年度は、研究1、研究2、研究3は分析を終えたい。途中経過ではあるが、9月に開催される日本特殊教育学会にて、研究2と研究4の算数・数学についてポスター発表を行う予定である。 研究4の国語に関して2017年度中にまとめる予定である。 研究5について、WISCと標準学力検査の対応分析の方法について明確でないため、どこまで進められるか不安がある。 研究6「二分脊椎症児に対する授業づくり」は、小学部、中学部の国語および算数・数学の授業を取り上げ、二分脊椎症児の困難に対応した手立て・配慮について検討する。できれば理科、社会科等においても検討したい。2017年度から取り組む。 研究7「二分脊椎症児の教科学習を中心とした事例の検討」は、2018年度に取り組む予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究1年目であり、研究協力を得ている筑波大学附属桐が丘特別支援学校において、研究の協力体制が整うまで時間がかかったため、タブレット端末とWISCⅣ等の心理検査を購入しないまま年度末をむかえた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に執行予定である設備・備品、消耗品、旅費等に加えて、初年度に執行できなかったタブレット端末とWISCⅣ等の心理検査等を購入する予定である。
|