研究課題/領域番号 |
16K04816
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
安田 輝男 筑波技術大学, その他部局等, 名誉教授 (10320623)
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研究分担者 |
岡本 明 筑波技術大学, その他部局等, 名誉教授 (10341752)
飯塚 潤一 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (90436288)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 視覚障害 / 触覚 / 触図 / 触覚伝達デザイン / ユニバーサルデザイン / ユニバーサルアート / 触って観る / 美術 |
研究実績の概要 |
【調査対象「カラー版触図」及びパネルの作成】カラー版触図32点制作、パネル32枚制作。そのうち、聴覚に障害のある本学総合デザイン学科学生及び卒業生の10点については、カラー版触図の原画としての制作指導を行った。【絵画等を理解・鑑賞するための支援情報としての言語情報の作成】「カラー版触図」32点の説明文(墨字)と点字翻訳を行う。【「カラー版触図」の展示】第54回二科茨城支部展(アンケート調査、ヒアリングも実施)、茨城県立盲学校での展示(アンケート調査も実施)、東京都文京区「ふれあいの集い」心身障害児作品展での展示【学会・研究会等への参加・発表】第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会、第17回日本ロービジョン学会学術総会、日本広告学会第47回全国大会【受賞】第54回二科茨城支部展デザインの部(県知事賞1点、県議会議長賞1点、新人賞1点、入選1点)、第101回二科展デザイン部(入選3点、準入選5点)【学会・研究会等への準備】第18回日本ロービジョン学会学術総会、第26回視覚リハビリテーション研究発表大会、ロシアモスクワでの学会PSI2017 edcational sectionでの発表原稿。【「カラー版触図」を使って評価調査】上記の二科茨城支部展、茨城県立盲学校等で実施したアンケートやヒアリング、日本ロービジョン学会学術総会及び視覚リハビリテーション研究発表大会での討論やヒアリングにおいて、様々な視覚障害者が絵画等を理解・鑑賞する際の知見(よりわかりやすい「かたち」「大きさ」「線の太さ」、わかりやすくする為の画像処理等)を得ることができた。【適宜、機関等を調査・取材】①ヒューマンインタフェース2016(視覚障害者への支援技術に関して研究者とディスカッション)②画像聴覚化研究所(音声情報の取材)③山梨県立盲学校(触図教育に関するデータをリスト及び資料現物を見て内容を調査)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カラー触図の原画にあたるアートの制作を本学在学生・卒業生を指導して10点制作。カラー触図の作成(20点)及び「触って観る」アートパネルの制作(20枚)。視覚情報取得の為の支援情報としての視覚情報の言語(文字)情報化(20件)、言語(文字)情報の点字翻訳(20件)。視覚に障害(様々な障害)のある人が絵画等の画像情報を取得する際のアンケート調査・ヒアリングを第54回二科茨城支部展「触って観る」アートコーナー等で行い、第25回視覚障害リハビリテーション研究発表大会及び第17回日本ロービジョン学会学術総会でも、ヒアリングを行った。また、上述の「研究実績の概要」にも記述しているように、「二科茨城支部展『触って観る』アートコーナー、茨城県立盲学校、東京都文京区「ふれあいの集い」心身障害児作品展等で展示」、「学会・研究会等への参加・発表」、「二科展デザイン部、二科茨城支部展デザインの部での受賞」、「平成29年度の学会・研究会等への準備」など、積極的に活動した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、28年度に引き続き下記の研究を継続する。 【調査対象「カラー版触図」及びパネルの作成】カラー版触図の原画にあたるアートの制作を本学在学生・卒業生を指導して8点制作。カラー版触図30点制作、パネル30枚制作を予定。【絵画等を理解・鑑賞するための支援情報としての言語情報の作成】「カラー版触図」の説明文(墨字)と点字翻訳を行う。【「カラー版触図」の展示】第55回二科茨城支部展、茨城県立盲学校での展示、東京都文京区「ふれあいの集い」心身障害児作品展での展示を予定。【「カラー版触図」を使って評価調査】二科茨城支部展、茨城県立盲学校、日本ロービジョン学会学術総会、視覚リハビリテーション研究発表大会等で実施予定。29年度は、特に評価・調査をさらに深めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
1)世界的に著名な絵画、日本の浮世絵、アニメ作品等のカラー版触図制作が未達である。2)「触覚」と「感情」の関係について ・「触覚」と「感情を表す形容言葉」 、例えば ざらざらした触覚感覚―「いらいらする」「粗っぽい」「厳しい」 つるつるした触覚感覚―「おだやか」「あんしん」 細い触覚感覚―「繊細」「心細い」 太い触覚感覚―「安心」「安定」 などの対応関係について調査し、 「触覚」と「感情」の関係についての知見を得る。の予定が未達である。
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次年度使用額の使用計画 |
上記、未達のものの実施に使用するとともに、併せて「カラー版触図」に関しての評価、調査を深める作業に使用する。
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