研究課題/領域番号 |
16K04822
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
宮 一志 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (50600673)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 特別支援学校 / 医療的ケア / 緊急時対応 / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
特別支援学校には重度の障害をもち、喀痰吸引や経管栄養などの医行為(医療的ケア)を必要とする児童やさまざまな健康上の問題を抱えている児童が在籍している。このような児童が学校で安全に教育を受けるためには特別支援学校の教員が児童の緊急時に対応できる知識・技術を持ち、学校近隣の救急対応可能な医療機関と密に連携することが重要である。 本研究では、特別支援学校の教員の緊急時に対する知識・技術向上、医療機関との連携を促進させる「特別支援学校の実態に即した緊急時対応研修プログラム」を作成し、これを特別支援学校で実施することで、特別支援学校に在籍する重度の障害をもった児童が安全に教育を受けることのできる環境を作るために ①特別支援学校在籍児童の医療的な問題の実態調査 ②特別支援学校の実態に即した緊急時対応研修プログラムの作成 ③研修プログラム実施前後での状況調査 を達成することを目標としている。
平成28年度には ①特別支援学校在籍児童の医療的な問題の実態調査として北陸地域での特別支援学校の医療的ケアを必要とする児童の在籍状況と医療的ケアの内容・実施状況、またてんかん、先天性心疾患などの緊急事態を起こしうる身体的合併症をもつ児童の在籍状況の調査を行った。また特別支援学校に在籍する教員、養護教諭、看護師に在籍児童の健康問題に関する不安点を調査した。また ②特別支援学校の実態に即した緊急時対応研修プログラムの作成として、上記の実態調査から明らかになった緊急事態や教員、養護教諭、看護師の不安をもとに緊急時対応研修プログラムの作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度には ①特別支援学校在籍児童の医療的な問題の実態調査として北陸地域での特別支援学校の医療的ケアを必要とする児童の在籍状況と医療的ケアの内容・実施状況、またてんかん、先天性心疾患などの緊急事態を起こしうる身体的合併症をもつ児童の在籍状況の調査を行った。また特別支援学校に在籍する教員、養護教諭、看護師に在籍児童の健康問題に関する不安点を調査した。一部、調査に協力できないと回答のあった学校があり、他地域の特別支援学校にも協力を依頼する、直接学校での医療的ケアを視察することで実態調査の代替手段とする方法をとっている。 ②特別支援学校の実態に即した緊急時対応研修プログラムの作成として、上記の実態調査から明らかになった緊急事態や教員、養護教諭、看護師の不安をもとに緊急時対応研修プログラムの作成を行った。教員、養護教諭、看護師の不安は多岐にわたり、当初想定していたプログラムから内容を追加するなどの対応が必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度には ①特別支援学校在籍児童の医療的な問題の実態調査の結果を解析し、日本特殊教育学会で発表を行う予定である。助言などにより、下記の研修プログラム改善を行う。 ②特別支援学校の実態に即した緊急時対応研修プログラムは、上記の実態調査から明らかになった緊急事態や教員、養護教諭、看護師の不安をもとに緊急時対応研修プログラムの改善を行い、特別支援学校教諭を目指す学生に研修を試みる。学生の習得状況などをもとに研修プログラムのさらなる改善を行う。 ③改善された緊急時対応研修プログラムを実際に実施する特別支援学校の近隣の医療機関の小児科医を講師として実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
緊急時対応研修プログラムを実施する特別支援学校の近隣の医療機関の小児科医を講師として、行うことを想定して人件費、旅費を計上していたが、学内の附属病院小児科医に依頼したため初年度は人件費、旅費が発生しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度より、研修講師を依頼するための人件費、旅費として使用していく予定である。
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