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2016 年度 実施状況報告書

聴覚障害学生の英語学習実態調査と英語力向上に向けての提言

研究課題

研究課題/領域番号 16K04825
研究機関愛知教育大学

研究代表者

岩田 吉生  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (20314065)

研究分担者 浜崎 通世  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10262940)
小塚 良孝  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (40513982)
小野 雄一  筑波大学, 人文社会系, 助教 (70280352)
田口 達也  愛知教育大学, 教育学部, 講師 (70411189)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード障害学生支援 / 聴覚障害学生 / 英語教育 / ユニバーサルデザイン / 大学教育
研究実績の概要

本研究では、現在の英語教育改革で見逃されている障害者の英語力向上に向けて、特に一般大学の聴覚障害学生の英語力向上に向けての問題点の解明と効果的な教育提言を行うことを目的とする。また、本研究を通じて、聴覚障害学生の英語教育における支援ネットワークの基礎構築と支援方法の普及を行うことも目標とする。これらの目標のために、彼らの学習実態調査や担当教員の意識調査、授業観察、そして海外調査を行う。これらにより、教育再生実行会議提言で目指されている「グローバル化に対応した教育環境づくり」や「全員参加型社会」の実現に向けて、聴覚障害学生を含めた大学教育の一端を担うことが可能となる。
平成28年度は聴覚障害学生の現状理解を質的に分析するためのデータ収集を行った。
1.聴覚特別支援学校(聾学校)の中学部・高等部の聴覚障害生徒および聴覚障害学生に関して、東京都立中央ろう学校、愛知県立岡崎聾学校、筑波技術大学にて調査を行った。
(1)授業観察;聴覚障害生徒及び学生が受講している授業を観察記録することによって、どのような点が問題か、どのような点が効果的かを検討した。(2)聴覚障害学生への面接調査;聴覚障害学生5名を対象に、彼らの英語の能力、英語学習に対する意識や意欲、英語教育の担当教員への要望等について調査した。(3)聴覚障害生徒および聴覚障害学生の担当教員への面接調査;聴覚障害生徒および聴覚障害学生の英語授業を担当している教員へ面接調査を行うことによって、教員の聴覚障害学生への英語教育における意識及び教授方法の調査を行った。聾学校教員4名、大学教員10名の調査を行った。
2.聴覚障害者への語学教育に関する文献研究を行った。
日本の聴覚障害学生の英語教育の文献研究を行い、論文としてまとめた。また、海外における聴覚障害学生の英語教育の文献研究を収集し検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は、聴覚障害学生の現状理解を質的に分析するためのデータ収集に関して、
1.聴覚特別支援学校(聾学校)の中学部・高等部の聴覚障害生徒および聴覚障害学生に関する調査、2.聴覚障害者への語学教育に関する文献研究を行うことができた。
研究の成果として、次の2本の論文をまとめることができた。
(1)浜崎通世・岩田吉生・田口達也・小塚良孝「聴覚障害学生に対する教室での具体的英語指導―愛知教育大学における取組と課題―」(教養と教育 16, 1-12, 2016,愛知教育大学)
(2)寺田理紗・岩田吉生「聴覚障害学生の英語教育の課題に関する文献的検討」(障害者教育・福祉学研究,13,147-151,2017,愛知教育大学障害児教育講座)

今後の研究の推進方策

平成29年度は、前年度の基礎調査研究を基に発展調査研究を行い、調査分析を行う。その上で、聴覚障害学生の英語教育の問題解決の解明と、効果的教育支援の方法を検討していく。
1.海外における聴覚障害学生の語学教育についての調査
(1)授業観察;海外において、英語が母語でない聴覚障害のある留学生の語学教育の授業観察を行い効果的な英語教育の実践を学ぶことができる。特に、アメリカにおいての聴覚障害学生の教育実践に定評のある大学の授業観察を行い、英語教育の現状と課題を整理する。(2)学習者及び教員への面接調査;海外における聴覚障害学生と担当教員への面接調査を行い、彼らの学習への意識や態度、及び教育方法についての考え方を調査する。
2.質問紙調査準備及び配布と分析
前年度に行った授業観察、聴覚障害学習者及び担当教員への面接調査を基に、質問紙を作成する。作成された質問紙は、全国の聴覚特別支援学校(聾学校)及び聴覚障害学生が在籍する大学へ回答を依頼する。これにより、日本における聴覚障害学生の英語教育での問題点が明らかになる。質問紙は、全国の聴覚特別支援学校と、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)の連携大学に郵送する。回収された質問紙を分析し、調査結果について報告書を作成する。この段階は、本研究代表者を始めとする愛知教育大学の研究分担者で行う。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額の9684円は、今年度の研究代表者および研究分担者の研究費の残額の総額である。次年度使用額が生じた理由は、物品が見積もりよりも安く購入できたためである。また、研究代表者および研究分担者の研究費の残額で年度末に消耗品等を購入することを止め、次年度の研究費として繰り越して必要な経費に使用することを決定したことも理由として挙げられる。
今年度の本研究は概ね計画通り進められ、これに伴う研究費も、研究代表者と研究分担者ともに目的にあった形で使用されていた。
今年度の研究費の残額9684円は、次年度以降に、計画的に使用していく。

次年度使用額の使用計画

今年度の研究費の残額9684円は、次年度の調査研究および文献研究等にて使用することとする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 聴覚障害学生の英語教育の課題に関する文献的検討2017

    • 著者名/発表者名
      寺田理紗・岩田吉生
    • 雑誌名

      障害者教育・福祉学研究

      巻: 13 ページ: 147-151

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 聴覚障がい学生に対する教室での具体的英語指導―愛知教育大学における取組と課題―2016

    • 著者名/発表者名
      浜崎通世・岩田吉生・田口達也・小塚良孝
    • 雑誌名

      教養と教育

      巻: 16 ページ: 1-12

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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