研究課題/領域番号 |
16K04832
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
坂井 聡 香川大学, 教育学部, 教授 (90403766)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 知的障害 / 感情表現 / ICT / 合理的配慮 |
研究実績の概要 |
本研究では、香川県内の知的障害特別支援学校3校(香川県立香川中部養護学校、香川県立香川西部養護学校、香川大学教育学部附属特別支援学校)、肢体不自由特別支援学校1校(香川県立高松養護学校)、病弱特別支援学校1校(香川県立善通寺養護学校)、小学校の特別支援学級2クラス(小豆島町立苗羽小学校)において実践研究を行った。いずれの学校の教育課程も知的障害のある児童生徒に対応した教育課程のクラスを対象とした。 実際には、気持ちを考えることを指導するアプリを試作して、検討を重ねた。このアプリは、見ることのできない感情を数直線で見えるようにして、加えて5W1Hの画面をタッチしていけば、日記が出来上がるというものである。 文字を再生することはできないが、一覧の中から選択し、再認することで文章を作成することができたる児童や、これまで自分の気持ちを表現することができなかった児童生徒が、パソコン上で表現できるようになり、その後、文字を自分で書いて表現することができるようになるなど、これまでの指導ではうまくいかなかったことが、ICTの導入により可能となる事例が複数みられた。 また、気持ちが表現できるようになった児童の行動が、その後落ち着いたという事例も見られた。ここまでの研究の成果については、特殊教育学会等の学会で中間報告をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現場へのソフトの導入がスムーズであったため、実践事例の収集がスムーズに進んでいる。そのため、研究の進捗は予定より順調である。また、ICT導入の効果も見られ、知的障害のある児童生徒にとって、その導入は効果的になっている様子も確認できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、継続してソフトを使用してもらう中で、児童生徒の変化を明らかにするとともに、効果と課題について分析し、知的障害のある児童生徒への指導にどのように生かしていけばよいのかについて検討していく予定である。また、ICTの導入が知的障害のある人たちに対する合理的配慮として、どのように活用されるべきなのか提案できるようにデータの分析を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力に関する謝金が発生しなかったために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究データを収集分析するにあたり、必要に応じて謝金等の支出を行い、研究の遂行がスムーズにいくようにしたいと考えている。
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