研究課題/領域番号 |
16K04857
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研究機関 | 名古屋女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
幸 順子 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (20250251)
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研究分担者 |
竹澤 大史 和歌山大学, 教育学部, 講師 (80393130)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 発達障害児 / 育児支援 / ピア・グループサポート / 児童期・思春期課題 / 追跡研究 / 相互支援 / 当事者主体 / 対話 |
研究実績の概要 |
本研究では、発達障害児の児童期から青年期にかけての地域育児支援(保護者によるピア・グループサポート)実践の分析を通して、この時期の子育ての課題と支援のニーズを明らかにし、地域生活に根ざす持続的ピア・グループサポートが児童期から青年期の子どもと保護者の成長にどう貢献するかを明らかにし、発達障害児の子育てにおける保護者主体の持続的な地域育児支援モデルと専門家の役割を提示することを目的とした。 基礎的研究として、児童期から青年期の発達障害児の保護者同士の相互支援(ピア・グループサポート)、特に母親同士による話し合い(母の会)でのピア・グループサポートについて検討するために、「オープンダイアローグ(開かれた対話)」、「当事者研究」などの統合失調症の治療論に関する文献(浦河べてるの家,べてるの家の「非」援助論:そのままでいいと思えるための25章.2002、向谷地生良,技法以前:べてるの家のつくりかた.医学書院.2009、向谷地生良他,コミュニティ支援、べてる式。金剛出版,2013、斉藤環,オープンダイアローグとは何か.医学書院,2015)に示唆を得て、保護者による地域育児支援(ピア・グループサポート)の意義や専門家の役割について整理を試みた。 ピア・グループサポート実践の追跡研究としては、研究代表者らが参加・支援する発達障害児の母親による保護者と児童期以降の子どもの「自主サークル」(地域での交流と相互支援を主旨とし、K市主催の育てにくい子どもと発達障害乳幼児の「子育て教室」よりH22に立ち上げ)における、保護者のピア・グループサポート実践の記録に基づき、学童期・思春期の「子育ての課題と支援のニーズ」、「ピア・グループサポートの意義」、「支援者の役割」などの観点から分析を行い、ピア・グループサポートが児童期・青年期の子育てと保護者の主体者としての成長にどう貢献しているかを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者の所属移動があり、実践追跡研究の課題遂行に影響が生じた。一方で、これまでの成果の一部を学術誌に発表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に引き続き、K市自主サークルにおいてピア・グループサポート実践の蓄積を重ねると共に、文献研究およびピア・グループサポート実践についてまとめを進め、それらに基づき、児童期から青年期の子育て支援における課題と支援のニーズ、ピア・グループサポートの意義、支援する専門家に必要とされる条件について検討しまとめる予定である。その上で、条件が整い次第、グループに参加した保護者を対象とした、「子育ての課題と支援のニーズ」、「ピア・グループサポートに対する意識」、「ピア・グループサポートを支援する専門家(支援者)の役割・機能」に関する調査の作成を試みる予定である。調査内容については、幸・竹澤および竹澤・幸(2013、2014)によるインタビュー調査質問項目とその結果を参考とする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:研究計画に変更が生じ、旅費、物品費、人件費・謝金、その他を減額したため398,130円の残額が生じた。 使用計画:残額398,130円は備品費、物品費、旅費等に充てる予定である。
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