研究課題/領域番号 |
16K04862
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
笹森 洋樹 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 発達障害教育推進センター, 上席総括研究員 (40419940)
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研究分担者 |
若林 上総 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研修事業部, 主任研究員 (10756000)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 通級による指導 / 中学校 / インクルーシブ教育システム / 期待される役割・機能 |
研究実績の概要 |
インクルーシブ教育システムにおいて通級による指導は連続性のある多様な学びの場の一つとしてさらなる充実が求められる。しかし、小学校に比べ、中学校で通級による指導を受けている生徒数が少なくなる現状がある。特に、発達障害のある生徒の場合は思春期にあたる中学校期に様々な課題を抱えることが指摘されており、通級のような個別的な指導の場は、合理的配慮や将来の社会的自立を考える上でも重要な役割をもつと思われる. インクルーシブ教育システムにおける中学校の通級による指導の在り方について検討するため、中学校における通級による指導の課題に関する全国調査、中学校の通級の担当者へのインタビュー調査及び発達障害のある生徒の保護者が求める中学校の通級の役割の観点から考察した。担当者が抱える現状の課題としては、通級に関する理解不足、多岐にわたる課題、指導の評価、指導時間の確保、特別の指導、思春期の発達段階、進路の問題、担当者の専門性、在籍校・保護者との連携、関係機関との連携の10にまとめられた。これらの課題への対応について検討し、中学校における通級による指導の今後の在り方について考察した。中学校段階では人間関係のトラブルが優先課題となりやすいことが前提にあることを認識しておく必要がある。インクルーシブ教育システムにおいて、今後に期待される役割・機能は、生徒への心理的な負担への配慮、生徒の自己認識への促し、長所への注目、相談的な支援、保護者への支援、学級でのさりげない支援、担任への支援、担任と保護者の関係づくり、必要性の総合的な判断、個別の指導計画による評価、特別の指導と通常の教育の専門性、不利益にならない配慮,医療や福祉等の関係機関との連携などであった。
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