研究課題/領域番号 |
16K04863
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
田中 良広 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 情報・支援部, 総括研究員 (70392933)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 日本人学校 / 合理的配慮 / 基礎的環境整備 / 学校規模 / チェックリスト / 特別支援教育コーディネーター / 教育相談 |
研究実績の概要 |
研究初年度は、文部科学省特別支援教育課により示されている基礎的環境整備(8観点:①ネットワークの形成・連続性のある多様な学びの場の活用、②専門性のある指導体制の確保、③個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成等による指導、④教材の確保 ⑤施設・設備の整備、⑥専門性のある教員、支援員等の人的配置、⑦個に応じた指導や学びの場の設定等による特別な指導、⑧交流及び共同学習の推進)、及び合理的配慮(3観点:①教育内容・方法、②支援体制、③施設・設備)に基づき、日本人学校における合理的配慮についての整理を試みた。日本人学校において提供される合理的配慮は、その基盤となる基礎的環境整備が国内の状況とは大きく異なっており、その充実の度合いによって、提供される合理的配慮の内容が大きくことなってくることが想定されることから、日本人学校の規模別(6区分:①50人未満、②50人以上100人未満、③100人以上~200人未満、④200人以上~500人未満、⑤500人以上~1000人未満、⑥1000人以上)に整理することが妥当と考えた。 また、実地調査で使用する「合理的配慮チェックリスト」の試作を行った。試作版のチェックリストは、初年度の実地調査校(学校規模:④)において試用した。 実地調査校では、管理職を含めた教員(特別支援教育コーディネーター、学級担任)へのインタビュー調査を実施したほか、支援を必要としている保護者の教育相談を実施して、ニーズ等の聞き取り調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学校規模別の基礎的環境整備の観点整理を試みたが、十分に整理することができなかった。実態として学校規模別に整理することはできるが、基礎的環境整備の充実度は必ずしも学校規模と相関しているとは限らない側面がある事から、視点の再整理が必要であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目には、以下の取り組みを行う。 1.日本人学校における基礎的環境整備の視点を再整理する。(学校規模別の他に相関が 高いと考えられる視点を見つけ出す。) 2.実地調査で活用する「合理的配慮チェックリスト」の精度を高める(項目の再整理) 3.学校規模の異なる日本人学校を1校(可能であれば2校)を訪問調査する。 4.訪問調査時に、当該校に関わる地域資源マップの作成を試みる
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の推進は実地調査の成果によるところが大きいことから、本来であれば2校以上の実地調査を実施することが望ましいと考えていた。 しかし、実際には研究費の使用期間や業務等との関係から、2校目の訪問調査を実施することが難しい状況であった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度(平成29年度)においては、訪問校数を2校として研究の推進を行っていきたい。
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