研究課題/領域番号 |
16K04863
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
田中 良広 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (70392933)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 日本特殊教育学会 / 合理的配慮 / 基礎的環境整備 / 保護者への意識調査 / 大規模校への実地調査 |
研究実績の概要 |
研究2年目の本年度は、研究所年度の成果として、平成29年9月に名古屋で開催された第55回日本特殊教育学会の部門間交流部会において口頭発表を行ったほか、日本人学校の規模別(大規模校:10000人程度、中規模校:100名~500名程度、小規模校、100名以下)実地調査の2校目として大規模校への実地調査と合理的配慮及び基礎的環境整備に関する保護者の意識調査を実施した。 大規模校を対象とした実地調査では、シンガポール日本人学校小学部チャンギ校(児童数:約950名)を訪問し特別な配慮を必要している児童に対する①校内指導体制、指導方法・指導内容等について、学校長、副校長、特別支援教育コーディネーター等への聞き取り調査と授業参観によって情報収集を行った。また、支援を必要な児童の保護者19名に対する教育相談を実施した。 さらに、帰国後に教育相談を実施保護者を対象に電子メールを介して、合理的配慮と基礎的環境整備、学校に対して希望する支援内容等に関する意識調査を実施した。その結果、11名の保護者から回答(回答率:64.7%)が得られた。 合理的配慮の認知度については、「聞いたことはない(今回初めて知った)」と回答したの3名であったが、基礎的環境整備についての認知度は、8名が「聞いたことはない(今回初めて知った)」というものであった。また、合理的配慮の内容に関して適切だと考えられる項目を選択する問いでは、「本人や保護者の要求があって初めて合理的配慮が提供される」という内容の認知度が極めて低い結果となった。このことから、今後も合理的配慮及び基礎的環境整備に関する理解啓発を図っていくことの必要性が改めて確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では、学校の規模別(大規模校、小規模校)の実地調査を2校実施することを想定していたが、実際にはフィールドワークを行う時間的な余裕がなく実施することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度は、学校の規模別実地調査を少なくとも1校は実施するとともに、日本人学校において適切に合理的配慮が提供されることに資するために、「日本人学校における合理的配慮提供マニュアル」(仮称)の作成を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度は、2度の実地調査を計画していること、また実地校の調査先がアフリカ、南米、ヨーロッパの3地域から選択することになる(小規模校がこの3地域に限定されている)ために、これまで以上に旅費が必要になると考えます。
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