研究実績の概要 |
今年度は異常ホール効果のエネルギー依存性を効率よく計算するプログラムの開発と二次元系への応用を主におこなった。これらは、H. Sawahata, N. Yamaguchi, S. Minami, and F. Ishii, Implementation of computing anomalous Hall conductivity for high throughput screening of magnetic thermoelectric materialsとして、2019年10月に大阪大学豊中キャンパスで開催されたThe 22nd Asian Workshop on First-Principles Electronic Structure Calculationsで発表をおこない、投稿論文を準備中である。その応用の一つとして強磁性状態のFeCl2の単層について、異常ネルンスト効果を調べ、6muV/K程度の大きな異常ネルンスト係数が得られる可能性あること、その起源がブリルアン ゾーンのK点近傍の大きなベリー曲率であることを明らかにした。この成果を論文論文 R. Syariati, S. Minami, H. Sawahata and F. Ishii, APL Materials 8, 041105/1-6 (2020)として出版した。さらに、磁性熱電材料のハーフホイスラー合金であるCoMnSbについて、その熱電効率を明らかにするために、熱伝導率の第一原理計算をおこない、論文にまとめ、投稿をおこなった。
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