本研究の目的は、ミリ波・サブミリ波に適したワイヤーグリッド偏光子を利用した電子スピン共鳴装置を開発する事によって、単層遷移金属ダイカルコゲナイドの電子スピン共鳴を観測し、g値やスピン軌道相互作用といったバレーの微細構造を明らかにすることである。新たにワイヤーグリッド偏光子を作製し、それらを用いた電子スピン共鳴装置を完成させた。ミリ波・サブミリ波の偏光に依存した特徴的な信号は極小の標準試料で観測できたが、単層遷移金属ダイカルコゲナイドにおいては感度が足りず、残念ながら電子スピン共鳴は観測されなかった。
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