研究課題/領域番号 |
16K04884
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
西島 喜明 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60581452)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | プラズモン / 光吸収 / 熱発電 |
研究実績の概要 |
今年度は赤外吸収材料としてGeSnの組成に着目した研究を展開した。Geに対してSnが20%以上添加されることによって、4000nmまでの長波長において光吸収が起こることを明らかにした。これは地表に到達する太陽光の全波長領域を吸収できるものである。従来光熱発電は可視光に強い光を持つメタルハライドランプを用いて、光照射実験を行ってきたが、長波長の成分の光は含まれていなかった。そこで、さらに長波長まで光放射を持つハロゲンランプを用いて、光熱電実験を行った。これにより、紫外可視のみならず、近赤外・沖積蛾の光によって、光熱電変換を行うことができることを実験的に実証した。具体的な手法としては、真空蒸着法によってGeSnをシリコン太陽電池の裏面に10ミクロン程度蒸着した。さらにシリコンとの間には電気的な導通を除去するために絶縁膜としてSiO2層を蒸着した。太陽電池と熱電素子は、それぞれ別々に外部計測器に接続して独立に駆動するシステムとした。これにより、太陽電池デバイスとの組み合わせによって、GeSn層への電気伝導が損失しないことが分かった。すなわち、太陽電池の効率を損なうことなく、赤外の光での光熱効果を得、熱発電することができることを実験的に明らかにした。また、プラズモン材料として、プラズモン完全吸収構造体を作製し、赤外の波長域での光学的な特性を評価した。特に赤外で100%に近い光吸収を実現し、発熱効果を最も得られる構造を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定をしていたGeSnなどの半導体系材料に加え、プラズモン完全吸収構造体という新しいプラズモンメタ表面材料を開発することにより、これらの材料で発熱効率を著しく向上させることができることが、新たに分かってきた。 この性質を利用して、更なる光熱電効果の高効率化を行うことができ、また、センサー素子としても用いることができるとの確信に至った。
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今後の研究の推進方策 |
今後はプラズモン完全吸収構造の発熱効果をより定量的に計測するとともに、光熱電素子としての確立を目指す。特定の波長で著しく強い光熱効果を得ることができる構造体とともに、フラクタル構造などで、広帯域にわたって光熱変換できる構造体を模索する。また、これらの構造体を熱電素子と併用した発電システムを構築する。
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