研究課題/領域番号 |
16K04886
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
金 在虎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (40511100)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | 分散安定性 / 無機ナノ粒子 / 表面改質 |
研究実績の概要 |
無機ナノ粒子の高分散と高安定性のために、新規手法としてフッ素系ガスを用いた精密フッ素化処理技術による様々な無機ナノ粒子の表面改質を提案する。特に溶媒中でのナノ粒子同士の凝集制御に及ぼす表面フッ素修飾の影響とそのメカニズムを明らかにすることを目的とする。そこで、平成28年度には、(1)様々な条件下でフッ素化した酸化チタンナノ粒子の作製と表面分析、(2)異なる溶液中での分散安定性に関する検討、(3)光触媒活性に及ぼす影響について研究を行った。酸化チタンのフッ素化については、25-200℃、フッ素圧1.3-50.5kPa、時間1hの条件下で行い、各試料の特性評価を行った。XRD分析結果では、室温(25℃)で行った試料の場合、未処理TiO2と同じ回折ピークが確認されており、結晶構造の変化はなかった。しかし、200℃でフッ素化した試料の場合、21°付近にTiOF2と見られる新たなピークの出現が確認された。水溶液中での各試料の分散安定性については、時間経過による沈降実験で評価した。未処理試料の場合、開始4時間で凝集および沈降現象があることに対して、室温でフッ素化した試料の場合、24時間経過しても優れた分散安定性を示した。しかし200℃でフッ素化した試料の場合、未処理試料と同様な結果となった。他の溶媒であるアセトンとエタノールでも同じく室温でフッ素化した試料の分散安定性が一番良い結果となった。各試料の光触媒特性評価については、MB(メチレンブルー)の分解挙動をUV分析で行った。その結果、未処理試料と比べ、フッ素化試料の方が4倍ほど高い分解力を示した。これらの結果より、TiO2ナノ粒子表面にフッ素化を行い、その量が調整できれば、分散安定性と光触媒特性効果が可能になる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的を基に計画されたH28年度の研究が殆ど実施されており、成果も出ているので順調であると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、TiO2以外の無機ナノ粒子に及ぼす表面フッ素修飾の効果について検討を行う予定である。特に異なる結晶構造をもつ金属酸化物ナノ粒子であるNiO, SiO2, MnO2などに表面フッ素化を行い、分散性向上のための最適なフッ素化条件を見出す。
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次年度使用額が生じた理由 |
追加採択による研究開始の遅れと、必要な反応容器の設計や製作が間に合わなかったことで、未使用額が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に必要な物品と反応容器の製作を行うために物品費として使用する予定である。
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