FeO相の共析反応を利用して、フェロ磁性金属(Fe)とフェリ磁性スピネル酸化鉄(Fe3O4)をナスケールで複合化したフェライト基ナノコンポジット磁性体を作製した。固相プロセスにより作製したナノコンポジット磁粉は室温においてFe3O4単相よりも大きな磁化(100 emu/g超)を示し、高飽和磁化を有するFe相が寄与している結果を得た。また、ナノコンポジット粉末は2種類の磁性相から構成されているにもかかわらず単相のような磁化曲線を示し、両相間での磁気結合の存在が示唆された。Co添加により保磁力が増大したことから、結晶磁気異方性の大きなCoフェライトが形成されたことが確認された。
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