研究課題/領域番号 |
16K04930
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
古門 聡士 静岡大学, 工学部, 教授 (50377719)
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研究分担者 |
角田 匡清 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80250702)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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キーワード | 伝導電子-スピン相互作用 / スピン-分子運動相互作用 / スピン軌道相互作用 / 結晶場 / s-d散乱 / 異方性磁気抵抗効果 / 摂動論 |
研究成果の概要 |
運動を正確に遠隔操作でき,且つ自らが発電したエネルギーを用いて走行する「自己発電型ナノマシン」には,電子伝導と分子運動の間の相互変換が必要である.我々はその変換に局在スピンを介した伝導電子-分子運動間相互作用Vを用いる案を提案した.このVの構築にはまず伝導(s)電子から局在d軌道へのs-d散乱の特性を知る必要がある.本研究ではs-d散乱およびそれを直接反映する異方性磁気抵抗(AMR)効果の理論的研究を行った.まずは結晶場を取り入れたモデルに対してs-d散乱理論を開発し,次にその理論を用いて従来理論では説明できなかったNi, Fe, ハーフメタルのAMR効果の実験結果を定性的に説明した.
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自由記述の分野 |
物性理論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は自己発電型ナノマシンの開発に必要な伝導電子からd軌道への電子散乱に注目し,その散乱を直接反映する異方性磁気抵抗(AMR)の理論を開発した.AMRは電気抵抗が磁化方向に依存する現象であり,約160年前から実験を中心に研究されてきた.一方,一部の散乱のみを取り入れた従来理論は特定の物質には有効なものの汎用性は低かった.本研究では全ての散乱を取り入れ,ハーフメタルを含む種々の物質に適用可能な理論を開発した.本理論により,従来理論では説明できなかったNi, Fe, ハーフメタルのAMRの説明に成功し,また磁性材料にとって重要なd軌道状態をAMRで容易に調べられ得ることも確認された.
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