本研究では巨大磁気熱量効果を示す磁気冷凍材料について,熱伝導度の温度依存性を調べた.まず巨大磁気熱量効果を示すMn化合物の試料作製条件を吟味し良質な試料を作製した.その結果,(MnFeRu)2(PSi)化合物でキュリー温度を2-3 ℃の間隔で制御することに成功した. 熱伝導度の温度依存性を測定したところ,最初の降温時にキュリー温度で,熱伝導度が急激に減少した.これは一次相転移でクラックが発生し,電子による熱伝導が極めて小さくなるためである.しかし一度クラックが入ると,その後の熱伝導度は同じ値になる.また昇温時にはキュリー温度で小さなこぶのような異常を示すが,この原因についても明らかにした.
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