研究課題/領域番号 |
16K04966
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
重里 有三 青山学院大学, 理工学部, 教授 (90270909)
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研究分担者 |
岡島 敏浩 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター九州シンクロトロン光研究センター, ビームライングループ, 主任研究員 (20450950)
賈 軍軍 青山学院大学, 理工学部, 助教 (80646737)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | In-situ XRD / 結晶化 / 不純物添加 / 界面 / 薄膜 |
研究実績の概要 |
平成28年度10月追加採用以来、アモルファスIGZO薄膜の結晶化に関したカチオン元素の添加によって結晶化への影響をIn-situ XRDによって解明している。アモルファス構造からホモロガスIGZO構造になるには、カチオン元素とアニオン元素の拡散が必要である。この半年に、放射光を利用したin-situ XRDの測定により、アモルファス In2O3薄膜の結晶化過程、と不純物Ga、Znの添加によるアモルファス In2O3薄膜の結晶化過程を調べ、不純物の添加によって結晶化の活性化エネルギー変化が見られた。この結晶化過程に関して得られた系統的な知見は、アモルファスIGZO薄膜の結晶化において不可欠な基礎知識になる。これらの研究成果は国際学会(IUMRS-ICAM2017)で発表する。 また、アモルファスIGZO薄膜が結晶化する際の構造の変化を、放射光を利用したXAFSにより解析するためにサンプルの高温加熱セルを設計して製作した。これからアモルファスIGZO薄膜の結晶化過程における局所構造の変化に関する実験を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度10月追加採用以来、アモルファスIGZO薄膜の結晶化に関して基礎となるアモルファス In2O3薄膜の結晶化過程を調べた。様々な酸素流量を変化させて作製したアモルファスIn2O3薄膜の結晶化、及び不純物Ga、Znの添加によるアモルファス In2O3薄膜の結晶化過程を、放射光を利用したin-situ XRDを用いて調べた。得られたデータを基づいて、結晶化するための活性化エネルギーを求めた。この結晶化過程に関して得られる系統的な知見は、アモルファスIGZO薄膜の結晶化において不可欠な基礎知識になり、これからの研究の推進方向も明確した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度には、酸素流量を変化させたアモルファスIGZO複合酸化物薄膜を堆積する。放射光を利用したin-situ XRDとin-situ XAFSを用いて、アモルファスIGZO薄膜の結晶化過程における、結晶化温度付近で局所構造の緩和からスケールの大きな構造変化まで系統的な変化を解析する。 また、平成29年度後期に測定を予定しているアモルファスIn2O3薄膜の結晶化に関したデータを基づいて、分子動力学法を用いたシミュレーションプログラムを構築し、結晶化における活性化エネルギーを求め、実験データと比べながら、結晶化過程を確立する。これはアモルファスIGZO薄膜の結晶化に関する基礎データになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担先での物品(高温加熱セル)の設計製作に時間がかかっており、初年度に計画いていたが次年度へとずれ込んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
1.高温加熱セルの支払い(約120万) 2.九州シンクロトロンセンターでの測定施設使用料 3.九州シンクロトロンセンターへの交通費
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