研究実績の概要 |
平成28年度10月追加採用以来、アモルファスIGZO薄膜とIn2O3系統計導電膜の結晶化に関してアモルファス酸化インジウム薄膜へのカチオン元素の添加によって結晶化にどのような影響を与えるかをIn-situ XRDによって解明してきた。10%程度のSnやGaの手bb賈ではIn2O3本来の結晶構造であるビックスバイトに結晶化するが、Zn添加やZn,Gaの供添加の場合はアモルファス構造から層状構造であるホモロガスIZO, IGZO構造になるため、カチオン元素とアニオン元素の大幅な移動(拡散)が必要である。現在までに、放射光を利用したin-situ XRDの測定により、アモルファス In2O3薄膜の結晶化過程、と不純物Sn, Ga、Znの添加によるアモルファス In2O3薄膜の結晶化過程を調べ、不純物の添加によって結晶化の活性化エネルギー変化を定量的に解析した。この結晶化過程に関して得られた系統的な知見は、アモルファスIGZO薄膜の結晶化において不可欠な基礎知識になる。これらの研究成果は2017年8月29日に開催された国際学会(IUMRS-ICAM2017、京都大学)でに発表し、さらに詳細に解析した研究成果を2018年12月18日(火)~20日(水)に開催された第28回日本MRS年次大会(北九州国際会議場)で発表し「奨励賞(Award for Encouragement of Research)」を受賞するなどの高い評価を得た。 また、アモルファスIGZO薄膜やドープしたIn2O3系透明導電膜が結晶化する際の構造の変化を、放射光を利用したXAFSにより解析するためにサンプルの高温加熱セルを設計して製作した。アモルファスIGZO薄膜、ドープしたIn2O3薄膜の結晶化過程における局所構造の変化に関する実験を行い、アモルファスから完全に結晶化するに至る全過程の機構解明を行った。
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