研究課題/領域番号 |
16K04973
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝昌 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40206496)
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研究分担者 |
崔 森悦 新潟大学, 自然科学系, 助教 (60568418)
村松 正吾 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30295472)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 波長走査光源 / 光外部共振器 / ウェーブレット変換 |
研究実績の概要 |
研究計画に基づいて、高速度カメラを購入し、光源の波長走査と同期した高速画像取得を行う干渉光学系を構築した。結果、 ・最高速度2000fpsの高速度カメラを用いて走査波長に同期した高速な画像取得を行い、信号解析に必要な画像の取得時間を従来の6.7(s)から34.4(ms)へと大幅に短縮できることを確認した。 ・測定物体を顕微鏡のカバーガラスとし、高速撮像した画像データからガラスの厚み分布を算出した。画像処理の手法としては、従来より一般的に用いられているフーリエ変換法と、本研究課題の提案事項としているウェーブレット変換法の2種類の手法を用いた。フーリエ変換法では、マイクロメーターによる接触測定によって得られた値に比べてやや小さめの測定値が得られるとともに、測定のばらつきも大きくなることが確認された。一方、ウェーブレット変換法では、マイクロメーターでの測定値に近い値が計測されるとともに、低ノイズでばらつきの少ない安定した測定が実現できることが確認された。 なお、実績とまでは言えないが、回折格子周囲のパラメータを理論的に再検討した結果、さらなる波長走査拡大を実現できる可能性が見つかった。これに関しては、次年度以降実験を通し、詳細に検討していく。 得られた成果の一部は、平成29年5月および9月に開催された2つの国際会議で発表済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目に予定していた通り、高速度カメラを導入し、走査波長に同期した高速な画像取得を行うことができた。さらに、取得した干渉画像にウェーブレット変換を用いた信号処理を施し、顕微鏡カバーガラスの厚み分布測定を高精度に行うことができた。ただし、光源のパルス発光実現までには至っておらず、パルス発光に関しては、最終年度にずれ込んだ。 以上の結果により、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
回折格子周囲のパラメータを理論的に再検討した結果、さらなる波長走査拡大を実現できる可能性が見つかったため、当初の予定にはなかったが、新たに波長帯域の広い半導体レーザを購入し、波長走査帯域拡大に関する実験を行う。幸い、当該半導体レーザは、本研究着手当時に比べて価格が低下してきており、最終年度の予算で何とか用意できる見込みである。 残る課題として、今年度着手できなかった光源のパルス発光実現と、ウェーブレット変換処理のハードウェア実装がある。共同研究者と打ち合わせを行いながら研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ上、次年度使用額が14万円ほど生じているが、この大部分は平成29年度末に物品購入で処理され、今年度(平成30年度)4月に執行済みとなっている。すなわち予算執行が遅れたため、平成29年度末では残金が生じている。 実質的に生じている残金は、約1万円であり、今年度分予算と合算して、効果的に使用していく予定である。
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