生体組織深部で高い分解能の蛍光観察を実現するため、蛍光標識となる蛍光タンパク質を意図的に褪色させる二光子励起法を確立し、時空間集光法による広視野二光子観察と合わせて、超解像蛍光イメージング技術を開発することを目的とした。eGFPの光褪色速度を測定したところ、二光子励起では励起状態吸収(ESA)誘起光の有無による変化量が小さく、超解像観察に必要な程度まで光褪色を制御することは困難であった。この原因を明らかにするため全反射照明型顕微鏡を構築し1分子観察を行った結果、ESAに続く電荷移動が可逆的な光明滅を引き起こしていること、不可逆的な光褪色はそれに連動して生じる副次的な現象であることが示唆された。
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