研究課題
本研究は、歯周疾患における治療前後の歯肉状態や形態を、患者への負担軽減をしつつ、多面的データに基づいた診断を可能にする口腔計測システムの開発を目的とする。複眼撮像システムTOMBOをベースとして、3次元形状計測、分光情報計測、立体表示用画像取得、アクティブ計測用パターン投影などの機能を集積化し、臨床利用に適したシステムを構築する。臨床における歯周治療での評価として、治療ステップごとの歯肉状態・形態変化を計測し、治療指針への還元をめざす。本研究では、デンタルミラー型形状をもち、3次元形状計測、その他の歯周疾患に関する画像情報を取得する複眼口腔計測システム(生体色素、歯肉歯槽粘膜境推定、3次元表示用)を利用する。これまでに、ステレオ法による3次元形状計測、RGB画像からの生体色素分布推定、付着歯肉と歯槽粘膜の分類における有効性を確認してきた。また、複眼口腔計測システムにホログラム光学素子を組み合わせ、ストライプパターンによる形状計測を実施している。本年度は、被験者実験における負荷を軽減させ、計測条件を安定化させるため、複眼撮像システムと額固定器具を設置する改良型実験台を作製した。併せて、撮影の効率化を図るため、計測ソフトウェアの改良を行った。また、表層から2mm程度の歯肉深部の計測を行うため、波長1μm以上に感度をもつブラックシリコンCMOSイメージセンサの複眼化を進めた。基本撮像性能の評価を実施し、被験者実験にむけた調整を完了した。
すべて 2020 2019
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Fourth International Conference on Photonics Solutions
巻: 11331 ページ: 1133102-1~6
10.1117/12.2553008