研究実績の概要 |
本研究は、プラズマの生物・医療応用研究を格段に発展させるため「モデリングにより、空気と水の境界面の物理化学反応を解明する」ことを目的とする。 ① 湿潤空気相におけるプラズマ粒子種を同定し、② 空気-水境界面における微視的な荷電粒子クラスタリング挙動、および ③ 巨視的な浸透・拡散反応を明らかにする。国際共同体制により実験研究と本モデルを統合し、理論・実験・計算の面から「どのプラズマ粒子が空気-水境界面まで届き、新たな粒子を生成しつつ、それを乗り越え、液相に浸透・拡散していくか」を明らかにする。 平成29年度は 予定していたスキーム SP2「空気-水境界面、特に気相側における微視的現象に注目:水分子の相転移にともなう伴う乖離・結合・クラスター化の解明」に則り、プラズマ粒子が水蒸気過飽和状態の空気中で反応するイオンクラスタリングに注目した。特に、水蒸気が過飽和した微小空間を対象とし、プラズマから照射された粒子と液面層から蒸散・蒸発した水分子により形成されるイオンクラスタ(コアとなるイオンにH2O分子が付着する。主にHxOy+/-, HxOyNz+/-, HxOyCz+/-, ここでx,y,zはマジックナンバーと呼称される分子数)の数密度・境界面への堆積挙動・気相から液相種への変化を明らかにした。ここでは数値流体力学のモデリングを新たに開発し、これまでの実績であるプラズマ化学反応計算とのハイブリッド方式を確立した。 その結果、原著学術論文1編、国際会議招待講演1件、国際会議講演3件、国内会議講演2件の業績を得た。
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