スパッタリング成膜においては,純度の高い金属ターゲットを用いると膜質が向上すると考えられている.そのため液体状態のままターゲットを使用できればターゲット材料選択の幅が広がる.さらに反応性スパッタに導入する希ガスは,多少ではあってもプロセスを複雑にする.例えば窒化物を成膜する時には,窒素プラズマ単体でスパッタできることがより望ましい.本研究では液体金属の高速スパッタのために,高密度イオンを効率よくターゲットに引き込む手法を提案した.本研究では圧電応用を目指してGaNのスパッタ成膜を実施したが,さらなる膜質の向上が実現できればMOCVDで用いる下地層としても提案できる可能性がある.
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