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2017 年度 実施状況報告書

加速器BNCTのための符号化イメージング法を用いた中性子線量評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K05005
研究機関大阪府立大学

研究代表者

宮丸 広幸  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80243187)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード中性子 / 光ファイバー / ZnS(Ag) / 放射線計測 / BNCT
研究実績の概要

本開発中の検出器では、中性子との核反応によって生じたアルファ線をZnS(Ag)シンチレーターによって検出し、その発光を10m程度の長い光ファイバーにて遠方の光電子増倍管へ伝送する。これはBNCTにおける治療場の高線量場を想定しており、ファイバー伝送によりノイズ低減を目指している。今年度はこのような光ファイバーを用いた試験機器を作成し、本学が有するガンマ線の高線量場での応答特性について評価した。シンチレーター物質に薄膜を使うことでガンマ線への感度を極力低減し、また大口径の光ファイバーならびに集光レンズを組み合わせることで1MeV程度のエネルギーまでのアルファ線について検出できることを実験的に明らかにできた。本研究において必要な、ガンマ線場での光ファイバー応答の試験に関連して下記の国際学会にて報告した。
次に、開発中の検出器では窒化ホウ素厚みの関数として中性子束はエネルギーごとに変化し、各厚みを透過後の反応率から入射中性子束を複数のエネルギー群に分割して評価する。このため中性子のエネルギー群と窒化ホウ素厚みの違いによる反応率は行列要素となる。この検出器の出力である厚みごとの計数(率)から逆に、各中性子のエネルギー群における中性子束強度を推定する必要がある。これを実現するためには従来から取り組んでいる”ベイズ推定法”に加えて”最大勾配降下法”や”確率的勾配降下法”について試行している。中性子束強度の推定はおおむね良好だが、熱外と熱中性子を明確に分離するためにはパラメータ設定を今後より検討が必要であることが分かった。今後は中性子源を用いた実測を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

検出器の製作は順調であり、バックグラウンドとなるガンマ線信号に関しては感度が低いことが実験的に証明された。また、アルファ線源を用いた模擬実験でも計測が可能であることが十分裏付けられた。

今後の研究の推進方策

今後はスペクトル推定のためのアルゴリズムならびにパラメータの最適化を行う。これまで最大勾配降下法による中性子束分布推定では高速中性子束の推定に変動幅が大きいことが分かっている。これは学習パラメータに依存し、低エネルギー束分布の割合が大きい場合に、解の収束が先鋭化するためである。これらを改善するため、モーメンタム法や更に改良を加えられたAdaGrad, Adam等の改良されたアルゴリズムを今後適用する。また作成した検出器を複数台に整備を進め、Am-Be中性子源のスペクトル推定を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本検出器はセンサーを複数用意して中性子束を一度に計測する手法である。このため、まず試験として1つ分の検出器体系の予算執行を行っている段階である。試験段階にて十分に検討を行い、性能評価ができた段階で複数台のセンサーの整備に関する予算を執行する。また、これまでは外部機関での実験のための出張費を計上しておらず、これについても今後執行予定である。これらの事情のため、予算の繰り越しが生じている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Development of intense gamma-ray source monitoring system in water for radiation safety2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Miyamaru, Takao Kojima, Kiwamu Omura, and Ryoichi Taniguchi
    • 学会等名
      the Ninth International Symposium On Radiation Safety and Detection Technology (ISORD-9)
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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