| 研究課題/領域番号 |
16K05026
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| 研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
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研究代表者 |
平出 哲也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター, 研究主幹 (10343899)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 室温イオン液体 / ポジトロニウムバブル / バブル振動 / オルソーポジトロニウム / 陽電子消滅率 |
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| 研究実績の概要 |
室温イオン液体試料については，同一試料で複数回実験を実施し，ポジトロニウム（Ps）バブルの振動が同じ温度で同様に観測できることを確認した．新しいイオン液体試料の購入については，測定温度範囲内に融点が存在し，さらに構造が異なるイオン液体の選定を進めた．
この課題のために新たに陽電子消滅寿命測定装置の構築を計画していたが，予定通り，BaF2シンチレーター2個，シンチレーション検出器を2台を駆動できる高圧電源を購入し，新たに装置の構築を行った．新しい装置の時間分解能は以前のものより15ピコ秒程度向上し，現在145ピコ秒（fwhm）である．温度制御は循環式温度コントローラーを28年度に購入予定であったが，現在，既存のものを流用して試験を実施している．試験では，実際に陽電子消滅寿命測定も実施し，温度依存性についても複数のイオン液体における結果を得ており，発表を行い，また，論文発表準備も行っている．
試料容器温度調整用熱交換器は試料容器の形状に最適化したものとしたいが，線源形状，計数率向上などによって試料容器形状を検討しなくてはならないことと，温度制御精度の向上を考え，形状や材質などについて現在検討中である．
産総研の垂直型陽電子ビームで実験は室温においてのみ測定を実施し，表面近傍に存在する構造による効果と思われる結果を得ることに成功している．この成果も国際会議で発表した．産総研の実験用に温度コントローラーを導入するが，これについても産総研側で陽電子ビームのチャンバー設計を行った業者との打ち合わせが必要であり，29年度に実施予定で計画遂行中である．
研究協力者の一人であるロシアのStepanov氏とは，装置の構築などについてもで情報交換を行い協力し，研究を遂行している．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた装置の構築などは順調であり，予定以上に良い方向で進んでいるが，温度制御のための製作予定であった部品については，他に検討が必要なものがあるため，製作に至らなかった，しかしながら，確実に良い結果を得るために行っていることであり，予算の有効利用の観点から，急いで実施するべきではないと考えており，既存の似ている部品を用いて試験を行い，実際にどのような問題点があり，良い結果を得るために何を考慮すべきか情報収集を行っているために，若干遅れている．一方，産総研の垂直型陽電子ビームによる測定においては，温度制御を行うための部品などの製作において，ビーム側のチャンバー等製作した業者との打ち合わせが必要となり，少し，計画よりも遅れている．
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| 今後の研究の推進方策 |
全体として，若干，予定よりも遅れているが，方向性は変更なく進めていくことが出来ている．現状では計画通りに研究を進めていくことになると考えている．計画書にあるとおり，基金であり，繰越等が可能であることから，流用・借用できる装置などを積極的に用い，予算の節約を行い，現状でも複数のの国際会議から招待されており，できるだけ多くの発表を行うことを実現したいと考えている．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
28年度製作を予定していた試料容器冷却用熱交換器，真空仕様試料容器冷却用熱交換器について，形状の検討，温度制御方法について28年度に既存の同等の部品を用いて試験を行い検討を行ったため，発注が29年度になることとなった．その結果，産総研での実験も29年度に実施予定となった．結果として，予算の一部に次年度使用額が発生した．
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に予定している試料容器冷却用熱交換器，真空仕様資料容器冷却用熱交換器の製作については，引き続き流用品・借用品の積極的な活用を図ることとし，平成28年度に発生した次年度使用額は，補助事業の成果を発表するための旅費や学会参加費等に使用する予定である．
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