X線吸収分光法は、物質中における元素選択的な電子状態や局所構造等の様々な情報が得られる優れた分析手法である。特に軟X線領域の吸収分光は、軽元素にも適用可能であり、近年エネルギー・環境科学などの分野においてその重要性が益々高まっている。X線吸収分光において固体内部の本質的な状態を得るためには透過法による吸収測定が適しているが、軟X線は固体中への侵入長が短いため試料を薄片化する必要があり、試料形状に大きな制約が生じる。そこでこのような制約を打破し、汎用的に透過法による軟X線吸収分光測定を行う手法として、新たに転換可視蛍光収量という方法を用いた透過軟X線吸収分光を行う装置開発を行った。
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