研究課題
令和元年度においては、主に以下の課題に関する研究を行った。(1) ランダム音響メタマテリアルに関する音響特性の研究:音響メタマテリアルにおいては、遮音・制振という観点から実用上有効であることが期待されている。従来の実験的研究においてこの様な音響メタマテリアルを実現する上では、力学的な共鳴現象を示す物体を周期的に配置した人工構造体が作成されてきた。また理論解析においても同様に、空間的に周期構造を有するモデルの解析、具体的には分散関係の解析などがなされてきた。しかし、音響メタマテリアルはフォトニック結晶(ソニック結晶)と比較すると、弾性波に関するギャップが出現するという点に関しては類似点があるが、その物理的な起源は全く異なる為、空間的な周期構造の有無は本質的ではない。この様な観点から本研究では、ランダムな構造を有する音響メタマテリアルに関する計算機シミュレーションを行い、その振動特性について定量的に明らかにした。(2) 非線形音響メタマテリアルの物理的性質に関する研究:近年、グラニュラー格子に関する音響特性の研究が行われている。本研究においては、この様な非線形性の強い材料を用いた音響メタマテリアルに関する物理的性質について、計算科学の立場から明らかにした。(3) 音響メタマテリアルにおける広帯域化に関する研究:一般に、音響メタマテリアルにおいては共鳴現象を利用して、通常の弾性体とは異なる物理的性質を実現している。その為、メタマテリアルとしての性質が現れる特徴的な振動数領域は、いわゆる共鳴振動数の近傍に限定されていた。本研究代表者は上記(1)の課題とも関連して、音響メタマテリアルにおけるバンドギャップの広帯域化に関する研究を行った。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
Soft Materials
巻: - ページ: -
10.1080/1539445X.2020.1715433
Proceedings of the 13th international congress on artificial materials for novel wave phenomena
巻: - ページ: X-429 - X-431
10.1109/MetaMaterials.2019.8900943
巻: - ページ: VI-303 - VI-305