放散虫の形態の多様性を「多様な捕食行動を最適化するプロセスの結果」という作業仮説のもとに,捕食行動時に発生する流体(海水)からの抵抗に最適な形状を計算することを主目的として,研究を行った.数式で表すことができる単純な外形をもつ放散虫数理モデルを作り,その捕食行動時に発生する流体抵抗の大きさの推定に成功した.実際の放散虫画像をもとにした数値シミュレーションから,放散虫骨格の外形と流体力学的な特性の関係を明らかにした.つぎに,複雑な形状をもつ放散虫骨格における流体力学的な特性を明らかにすることを試みたが,幾何学的な形状の特性を得るにとどまった.
|