研究課題/領域番号 |
16K05046
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
宮村 倫司 日本大学, 工学部, 准教授 (30282594)
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研究分担者 |
山下 拓三 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主任研究員 (40597605)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バランシング領域分割法(BDD法) / アセンブリ構造 / モルタル有限要素法 / 双対基底ラグランジュ乗数法 / 多点拘束条件(MPC) |
研究実績の概要 |
双対基底ラグランジュ乗数法を四面体要素によるメッシュに用いる場合,表面は三角形パッチになり,三角形パッチ要素に対する双対基底は陽な式として求められる.一方,六面体要素によるメッシュに用いる場合,表面は四辺形パッチになり,双対基底は陽な形では求められず,要素形状に合わせて数値計算により求める. 接合する一方のメッシュの接合面をスレーブ面,他方のメッシュの接合面をマスター面と呼ぶ.接合面の任意の点においてスレーブ面とマスター面の形状関数で表される変位の差(ギャップ)が弱形式で0になるように拘束する.試行関数とラグランジュ乗数はスレーブ面の双対基底により離散化する.試行関数とギャップの積の積分計算の中で,スレーブ面では試行関数と変位が同一のパッチで離散化されるため双対基底の性質により陽に計算できて結果は対角行列となる.一方,マスター面では数値積分により計算する.ここでは,スレーブ面の表面パッチを積分セルとしてガウス積分を行う.スレーブ面における積分点位置を含むマスター面のパッチ要素を探索し,そのパッチ要素において積分点位置に対応する自然座標系の座標をNewton-Raphson法により求め,変位の内挿値を計算し,スレーブ面での試行関数の値との積を計算して積分点での被積分関数の値を求める. マスター面とスレーブ面の表面パッチは,既存の境界条件設定プリ処理ツール要素により生成し,要素の属性として表す.このデータを利用して弱形式の拘束条件を上記の積分により離散化すると,最終的には多点拘束条件となる.現状ではこの多点拘束条件を予め求めてから領域分割を行い,Xeon Phi上の多点拘束条件を考慮したBDD法で解いている. 今後,ソリッド要素による高精細なメッシュを用いた原子力発電所の建屋ー格納容器―原子炉モデルに本研究で開発した手法を適用し,更に精密なアセンブリ構造モデルによる地震応答解析の実施を検討している.
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