現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部のではあるが、4次のCM体の類数の計算法を得られたことは、研究目的の一部ではあるが果たせたと思っている。ピーターソン内積を調べることは当初予定にはなかったが、研究成果を得るためには避けられない道のようである。当初の予定からすると迂回路を通っているように見え、そのために研究が遅れているように見えてしまうことにはなるかもしれない。 ただこの研究自体も、単独で整数論に貢献しそうな深い内容を持っている。ランキンやセルバーグは重さ0のアイゼンシュタイン級数の解析的性質が、積分を通してある重要なカスプフォームから作られるL関数の解析的性質を証明してる(Rankin, "Contributions to the theory of Ramanujan's function tau(n) and similar arithmetic functions, I"、Selberg,"Bemerkungen uber eine Dirichletsche Reihe, die mit der Theorie der Modulformen hahe verbunden ist")。ピーターソン(Petersson, "Uber die Berechnung der Skalarprodkte ganzer Modulformen")はふたつのカスプフォームの内積から作られるL関数の解析的な状況が、やはり重さ0のアイゼンシュタイン級数の解析的性質から分かることを示している。重さ0のアイゼンシュタイン級数以外のアイゼンシュタイン級数を用い、群も一般化させることに成功すれば成果となるはずである。一部は既に成功している。
|