研究実績の概要 |
本研究課題では、行列と超幾何級数に関連した3項目「Aztec rectangle の数え上げ問題の拡張と解明、及び超幾何級数を成分に持つ行列式の解析」「矩形行列式、Hankel 型行列式、Hankel 型 pfaffian に関する等式の拡張と応用」「leaf poset の組合せ論的特徴付けと拡張及び一般化」について代数的組合せ論の観点から、広く横断的な研究を行うことを目的とした研究を行い、最終年度及び補助事業期間では、主として次の結果を得た。 ・穴が連続して空いた Aztec rectangle の domino tiling において、Schroder path との対応を利用することで、縦 domino に weight をつけた母関数が「z 変数の (2,1) 型超幾何級数を成分とする行列式」で表されることを証明した。また、系として、超幾何級数に関連した等式が多数得られた。 ・leaf poset のパーツとして同一の strict partition に対して、ある条件を満たす変形を共通に行っても multivariable hook length poset になることが分かった。また、岡山大学の石川雅雄氏、豊澤由貴氏と cylindric skew diagram の hook formula についての共同研究を行い、ファンデルモンドの行列式に関連した和の等式等を利用することで、(n,1^m) 型の分割に対する豊澤氏の予想を証明した。 ・拡張されたナラヤナ多項式の合成積、拡張されたフィボナッチ数のべき乗和、拡張されたハノイの塔等に関する解析を通じて、多数の超幾何級数の等式、隣接関係式、和公式、積公式等が得られた。また、高さを制限した Schroder path, Delannoy path の個数が超幾何級数の和で表せることを証明した。
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