本研究では、置換群の部分群の固定点の集合、行列群の部分群の固定部分空間を用いた群の構造の決定、群の性質を反映する格子の研究、群の作用する可換代数構造の構成を通して群の性質の研究を行っている。本年度は以下のような結果を得た。 1.散在型単純群の1つであるラドヴァリス群の構成を見直し、ラドヴァリス群の性質についていくつかの組合せ構造との関連も含めまとめた。具体的には一般6角形、シュリクハンデグラフ、格子、ホフマンシングルトングラフ、デザインなどさまざまな代数的構造とラドヴァリス群は関連していることが分かってきていたが、それらを具体的にすべて書き上げ、ラドヴァリス群の特徴についてまとめた。 2.M_{12}の作用する45次元の既約表現上に定義される可換代数構造についてその積構造をわかりやすく記述することに成功した。一部を口頭発表した。具体的には位数2の元の中心化群による分解を利用すると、その固有空間分解を考える。中心化群の中のある正規部分群が分解及び積をわかりやすく記述するために重要な役割を果たしていることが分かった。複雑な構造に見えたが実はわかりやすい構造をしていることが分かった。
|