研究課題/領域番号 |
16K05072
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
佐藤 周友 中央大学, 理工学部, 教授 (50324398)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 零で延長したサイクル複体 / コンパクト台付きモチーフコホモロジー |
研究実績の概要 |
今年度は前年度に引き続き、零で延長したサイクル複体 (cycle complex extended by zero)の複体の双対局所化完全系列の問題に取り組んだ。この研究は理化学研究所の萩原啓氏との共同研究である。 今年度はさらにいくつかの新しいアプローチを検討し、考えているスキームの局所環を自由代数の局所化によって左分解し、多項式環の場合に問題を帰着させるというアプローチに到達した。このアプローチにおいては、Gabberの幾何的表示(geometric presentation)定理のようなタイプの道具を用いるのが有効であること、および正確には「より強い形の」幾何的表示定理が必要であること、などが分かった。また、余次元1のサイクル場合には、双対局所化完全系列の問題が正しいことも、上記とは別のアプローチによって確認できた。 今年度は6月に函館市で行われた「函館数論幾何ワークショップ」、9月にニセコで行われた「レギュレーター in ニセコ」、9月に八ヶ岳自然文化園(長野県諏訪郡原村)行われた八ヶ岳ワークショップに参加し、上記の研究内容について東北大学の山崎隆雄氏ら多くの研究者と情報交換を行った。 また、今年度は多くの研究者たちの協力を得て、斎藤秀司氏の還暦記念国際研究集会「Motives in Tokyo 2018 on the occasion of Shuji Saito's 60th birthday」を年度末を開催した。海外から合計19名の講演者と多数の聴衆が来日し、私の研究費からは4名の講演者の旅費と滞在費を拠出した。そのため、来年度交付予定分から30万円を前倒しで交付申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
双対局所化完全系列の問題に対し、Gabberの幾何的表示定理のより強い形を用いるというアプローチが得られたこと、および余次元1の場合は双対局所化完全系列が実際に正しいということが得られたことが上記の判断の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
上記の「Gabberの幾何的表示定理のより強い形」を目標として研究を進める。これまでの研究で得られたノウハウを含めてなるべく多くの視点からその正当性、および証明を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に国際研究集会「Motives in Tokyo 2018 on the occasion of Shuji Saito's 60th birthday」を開催するにあたって、次年度より30万円を前倒し交付して頂いた。次年度使用額はその残高であり、次年度において本来の使用計画に沿って使用する予定である。
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