研究課題/領域番号 |
16K05072
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
佐藤 周友 中央大学, 理工学部, 教授 (50324398)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | モチビックコホモロジー / エタールコホモロジー / セルマー群 / ゼータ関数 / 算術的スキーム |
研究実績の概要 |
2019年度は、2018年度に続き代数的サイクルについて萩原啓氏(慶應義塾大学、理化学研究所)と議論を行った。特に、高次チャウ群の反変関手性を一般のネーター正則の場合に拡張することについて議論しており、2020年度に継続する予定である。 また、算術的曲面のゼータ関数のs=2での留数のp進的な成分(留数をベイリンソン単数基準で割って得られる有理数のpベキ成分)をp進アーベル・ヤコビ写像を用いて記述することについて、山崎隆雄氏(東北大学)と議論を行い、まとまった結果を得た。この結果は論文として発表予定であるが、残念ながら山崎氏が著者に加わることを断ったため単著の形でプレプリントを公開中(現在、雑誌に投稿中)である。今回の結果は技術的な理由によりpについていくつか条件がついており、これらの条件をできるだけ弱めることが今後の課題である。この件については、2020年度より新たに採択された研究課題にて研究を継続する予定である。 2019年度は、東京工業大学、京都大学などを含む計4か所で研究講演を行った。研究論文については、斎藤秀司氏(東京大学)との共著`On p-adic vanishing cycle of log smooth families'および、朝倉政典氏(北海道大学)、萩原啓氏との共著`Chern class and Riemann-Roch theorem for cohomology theory without homotopy invariance'がそれぞれ雑誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在進行中の研究が2件、研究講演が4件、プレプリントが1本、出版された論文が2本ある。
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今後の研究の推進方策 |
ネーター正則スキームの高次Chow群の反変関手性を確立すべく、Blochによる通常の定義を修正し、「導来代数幾何」的な定義を試みる。ただし、定義を置き換えるにはある種の移動の補題が必要となるため、どのような移動の補題が成り立ちうるかという点に注意を払いながら研究を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスによる感染症対策として、3月に予定していた出張を延期した。これに伴い、特例として本研究の交付金の一部が次年度(令和2年度)に繰り越された。次年度使用額については、延期されていた出張を(緊急事態宣言が解除されれば)行い、使用する予定である。
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