研究実績の概要 |
今年度に arXiv にアップロードした2つの論文について概要を以下に述べる。 Takashi Nakamura, Zeros of polynomials of derivatives of zeta functions, arXiv:1605.02940 : $\Re (s) >1/2$で絶対収束するDirichlet級数を係数に持つ$\zeta (s)$の多項式の微分は$\Re (s) >1/2$において無限個の零点を持つことを示した.この系として,種々のゼータ関数とその微分は無限個の零点を持つことが示された.さらに$\zeta (s) +100s$や$\exp(\zeta (s))$などの上記の条件を充たさないゼータ関数から作られる関数は,$\Re (s) >1/2$において零点を持たないことを明記した. Takashi Nakamura, Zeta distributions generated by multidimensional polynomial Euler products with complex coefficients, arXiv:1606.09418 : オイラー積で定義されるゼータ分布は1重積かつ1次元のものは古くから知られている。多重積かつ多次元にしたものは青山氏と研究代表者により定義された。その論文では係数は実数かつ絶対値が1の場合のみ扱われていたが、この論文では絶対値が1以下の複素数を係数に持つものを扱った。この論文では青山中村論文とは全く異なる手法が用いられ、別証明も与えられていることを注意しておく。
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