研究実績の概要 |
Functional equations and zeros of the bilateral Hurwitz and periodic zeta functions, arXiv:1712.05169 を公開した。 その内容は、bilateral Hurwitz zeta function $Z(s,a):=\zeta (s,a) + \zeta (s,1-a)$は$1/4 \le a \le 1/2$であるとき非正の偶数点のみに実零点を持つことを示した。さらに、the bilateral periodic zeta function $P(s,a):={\rm{Li}}_s (e^{2\pi ia}) + {\rm{Li}}_s (e^{2\pi i(1-a)})$は$1/4 \le a \le 1/2$であるとき負の偶数点のみに実零点を持つことを示した。これらの和$Q(s,a):=Z(s,a) + P(s,a)$も同じ性質を充たすことを証明した。さらに$a$が充分小さい場合は$(0,1)$において実零点を持つことを証明した。これら3つの関数はリーマンゼータ関数と全く同じ形の関数等式を充たすことも示した。これはハンブルガーの定理において、少し仮定を弱めれば、リーマンゼータ関数で無いゼータ関数が数多く存在することを意味している。$1/4 < a < 1/2$が有理数あるいは超越数であるとき、上の3つの関数はリーマン予想の類似を充たさないことも示した。つまり絶対収束領域においては$1/4 < a < 1/2$が有理数あるいは超越数であるとき無限個の零点を持つことを示し、臨界領域においては$1/4 < a < 1/2$が有理数であるとき無限個の零点を持つことを示した。証明には、上記のフルビッツゼータ関数あるいはディリクレL関数の同時普遍性定理などが臨界領域においては使用されている。
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