研究課題/領域番号 |
16K05084
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松木 敏彦 龍谷大学, 文学部, 教授 (20157283)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 直交群 / 旗多様体 / 古典群 |
研究実績の概要 |
偶数次 split 直交群の4つ以上の直積は無限型(直交群の対角的作用に関する軌道の数が無限個)であることを示した。したがって、有限型多重旗多様体を分類するためには3重旗多様体のみを考察すればよい。奇数次のときと同様に、次数の小さないくつかの無限型3重旗多様体を用意する必要がある。 6次直交群について4つの基本的な無限型3重旗多様体を構成した。このうちの2つは奇数次の研究において基本的なものであった。8次直交群については6つ、12次直交群については4つの無限型3重旗多様体を構成した。これらを含む3重旗多様体を取り除くことによって、3重旗多様体が有限型になるための必要条件が導かれる。1つの旗多様体の形によって、(I)型と(II)型に分類できる。(I)型はすべて spherical であるので問題ない。(ただし、軌道分解を具体的に記述することは意味がある。)(II)型の軌道分解を精密に記述して軌道が有限個であることが示せれば、この条件が有限性の十分条件になるので予想は解決する。この条件は、特殊な場合の Stembridge による spherical 二重旗多様体の条件と矛盾しないので、これが十分条件であろうと予想できる。 奇数次のときと同様に軌道分解を細かく分析すれば軌道の有限性が証明できると思われるが、かなり複雑な構造を持っているので、未完成である。 以上の研究概要は6月の数理解析研究所研究集会および1月の鳥取での表現論ワークショップで中間報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有限型の偶数次直交群の多重旗多様体を分類するという研究目標に対して、証明すべき分類定理の形がかなり明確になっている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により、有限型3重旗多様体は(I)型と(II)型に分類できる。(I)型はすべて spherical であるので問題ない。(II)型の軌道分解を精密に記述して予想を証明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究発表できる内容が中間報告のみであったために学会等の出席数が少なかったため。また、関連分野との研究交流も少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
予想の証明を完成させるため、研究会等に参加する。また、関連する若手研究者との協力によって関連研究も発展させる。
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