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2020 年度 実施状況報告書

カラビ・ヤウ多様体の退化とミラー対称性

研究課題

研究課題/領域番号 16K05105
研究機関学習院大学

研究代表者

細野 忍  学習院大学, 理学部, 教授 (60212198)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2022-03-31
キーワードカラビ・ヤウ多様体 / ミラー対称性 / 複素多様体の変形 / モジュライ空間 / モジュラ―関数
研究実績の概要

本研究は,2016年度から2019年度までの4年間の研究としてその研究計画はほぼ終了し,可動錐とモノドロミー錐に関する結果,古典的な楕円ラムダ関数を自然にK3曲面に拡張するK3ラムダ関数に関して興味深い成果を得ている.4年間の研究の集大成として2020年の2,3月に国外研究者の招聘を行って,これらの研究成果について討論を行ない研究課題の次なる発展に向けて足がかりを得る計画であった.しかしながら世界的なコロナウイルス蔓延のために招聘を延期することになり,2020年度中に研究者の招聘または自身が国外出張する計画を立てた.しかし,残念なことに状況が改善することが無かったため今年度は実施することが出来なかった.
研究計画は,最後の国外研究者の招聘または自身の国外出張による成果の研究成果の発信を除いてほぼ完了しているが,付加的な研究として,K3ラムダ関数を定める二重被覆型のK3曲面の性質を3次元カラビ・ヤウ多様体に一般化する,二重被覆型カラビ・ヤウ多様体についてB. Lian教授(Brandeis 大),S.-T.Yau教授 (Harvard大),T.-J. Lee研究員(Harvard大)と共に共同研究を行った.反射的な多面体が定めるトーリック多様体のトーリック因子で分岐する,二重被覆型カラビ・ヤウ多様体を考察し,それらの周期積分や周期積分の満たす微分方程式に関する一般的な性質を見つけることが出来た.こうして得られる二重被覆型カラビ・ヤウ多様体は特異点を持つが,特異点を持つカラビ・ヤウ多様体の間に「拡張ミラー対称性」と呼ぶべき対称性を観察することが出来た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

4年間の研究計画は順調に進んで十分な成果が得られているが,国外研究者の招聘あるいは自身が国外出張して研究成果について討論・発信するという最後の計画が,コロナ禍の状況で全く実施出来なかった.

今後の研究の推進方策

国外研究者の招聘あるいは自身が国外出張して研究成果について討論・発信することを行う.コロナ禍の状況見ながらオンラインでの討論など交えて今年度中に完了させる.

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス蔓延のため,研究者の招聘・自身の国外出張ができなくなり研究計画を延長した.しかしながら状況が改善することがなかったため,計画をさらに延長することとした.計画通り招聘旅費または国外出張旅費として使用することを計画するが,状況に応じて国内旅費としても使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] Harvard University/Brandeis University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Harvard University/Brandeis University
  • [雑誌論文] K3 surfaces from configurations of six lines in P2 and mirror symmetry I.2020

    • 著者名/発表者名
      Shinobu Hosono, Bong Lian, Hiromichi Takagi, S.-T. Yau
    • 雑誌名

      Commun. in Number Theory and Phys.

      巻: 4 ページ: 739-783

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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