研究実績の概要 |
混合特異点の研究の一つとして、残されていた縮約とイソトピーの問題を稲葉、川島と共著で解決したことは重要な結果の一つである。これは数年前に私がBrieskorn型の混合多項式と、Tree型の時示して、その時予想として残されていた巡回型混合多項式に関して問題を肯定的に解決したものである。またレンズ方程式と混合多項式のモジュライ空間の関連に関してはメキシコ―ブラジルの共同国際会議で2015年に発表し、そのプロシーディングに論文として発表したものが今年度中に出版予定である。この結果は数学者のみならず、天文学の研究者にも興味を持たれている。また新しい関連テーマとしてLojasiewicz不等式の非退化超局面の場合の具体的評価式を与え、それを混合多項式に拡張して2017年2月21日ハノイでの特異点ワークショップで発表したことも重要な結果の一つである。これは30年前の福井の評価式の間違いを修正して少し弱い評価式を与えたものである。また非孤立超曲面族の位相不変性に関してはC. Eyralとの共同研究で肯定的な結果を得て、6月3-11ポーランドでの「多変数関数とその幾何学」国際会議で発表し、さらに拡張を共同研究中である。C.Eyral, T. Ohsawa氏たちと研究議論を行い充実した情報交換が持てた。2017年2月6-10日、スペインのSevilleでの「Panorama of Singularities」でレンズ方程式とモジュライの関係を講演して、Le.D.T, B. Tessier, M. Tosun, A. Nemethi, L. Paunescu氏などと最近の研究状況に関して情報を交換して意義ある議論を行った。
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