研究実績の概要 |
混合特異点に関するミルナー束に関し、以下の結果を得た。 1。Lojasiewicz 不等式の混合多項式への拡張と非退化の時の具体的な評価を与え、その応用として利便でない混合多項式をトポロジーを変えずにどのような高次の項を加えて利便多項式にできるかを示した。この結果はKodai JOurnal of Math.に発表した。またポーランド学派と何回か議論して説明し、興味を示してもらった。 2。一般化されたLens方程式の概念を導入し、そのゼロ点の個数と対応する2変数強斉次混合多項式のモジュライ空間との関係を明らかにした。またRhieの結果を拡張した評価式を与えた。この結果はブラジルでの特異点国際会議のProceeding"Singularities and Foliations. Geometry, Topology and Applications, Salvador, Brazil,2015, Springer Proceedings in Mathematics \& Statistics"に発表した。
3。混合多項式のミルナー束のファイバーの連結性は一般には何も知られていない。この連結性を(正則関数に関して一般的な)モース関数の手法を使わずに新しい手法を使って示した。この結果は正則関数の場合にも加藤-松本の定理では記述できない新しい結果を与える。この結果は近々発表予定である。arXiv:1711.09537に仮発表してある。 4。超曲面特異点の入門的教科書を出版し、正則関数の場合から出発して混合多項式までの特異点理論を説明した。修士、博士課程の学生が特異点理論を勉強する際の入門書として使えると期待している。
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