研究実績の概要 |
平成28年度の研究計画のうち, ねじれたTod-Kamada計量に関するツイスター対応の構成については, 鎌田博行氏(宮城教育大)との議論を行っているが, 本格的な始動には至っていない. このテーマに関する新たな展開として, 糸健太郎氏(名古屋大)との交流の中で, 双曲幾何学との関連が見え始めており, 議論を開始した状況である. 一方, G2幾何におけるPenrose型ツイスター対応の研究については, 橋本英哉氏(名城大)・大橋美佐氏(名工大)・間下克哉氏(法政大)との共同研究を継続している. 平成28年度は既に得られている結果について論文を執筆する計画であったが, やや不十分な点があったため, 実現には至っていない. しかし, 結合的グラスマン多様体上の対称3-形式や, 錐場といった, これまでよりさらに深い構造が明らかになってきており, 研究は進展している. 現在は結合的グラスマン多様体上のリーマン曲率に関して, 表現論的な手法による研究を着々と進めている. 平成28年6月には会津幾何学研究集会を開催し, 特にG2幾何に関する研究の推進を図った. また, 9月には御茶ノ水女子大学における国際研究集会(Quaternionic differential geometry and related topics)にて研究発表を行い, 平成29年3月には名城大学幾何学研究集会にて招待講演を行うなど, 研究発表を積極的に行った. この他にも年間を通して国内のシンポジウム, 研究集会等に積極的に参加した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属大学の事情(改組や人事凍結等)により教育業務や学内業務が増加. 結果, 想定のエフォートを研究に割くことができていない. また, 研究を進める中で, さらに詰めるべき内容が明らかとなったため, 論文の執筆に至ってはいない. 以上の要因により研究計画に対してはやや遅れているが, 着実に進展している面もあり, 上記の評価とする.
|
今後の研究の推進方策 |
G2幾何に関しては共同研究を軸にさらに研究を進め, 今年度中の論文執筆を目指す. LeBrun-Mason型ツイスター対応に関しては, 新たな展開である糸氏との交流などをさらに推進し, またこれまで通り鎌田氏との議論を継続することで, ブレイクスルーの開拓を目指す.
|