研究実績の概要 |
G2幾何に関するPenrose型ツイスター対応の研究について, 橋本英哉氏(名城大)・大橋美佐氏(名工大)・間下克哉氏(法政大)との研究を継続している. これまでの研究で G2/Sp(1)+の3-Sasakian構造や, G2/U(2)-の複素接触構造についてムービングフレームメソッドによる表示を行うことに成功していたが, この理論をさらに押し進め, G2/U(2)+の超ケーラー構造についても研究を進めた. 特に, G2/U(2)+ を複素化して, 複素G2の部分群Hによる商として表示する際の, 部分群Hを多様体として具体的に表示することなどについて研究を進めている. 同様の理論は G2/U(2)- 上は Bryant や橋本によって研究されており, S6上のsuper minimal complex surface の理論などへの応用があるため, 類似するような応用を視野に入れている. なお平成29年度に得られたHopf写像に関する結果については論文にすることを試みたが, 等径超曲面との関係などにおいて扱いの定まらない点があり, 発表には至っていない. また研究活動の一環として, 6月29日-30日に福島幾何学研究集会を開催した. 共同研究者である間下氏の他, 本研究課題に直接関わる内容の研究者に講演を依頼した他, 等質空間論や曲面論の結果についても講演者を招聘し, 参加者は18名であった. 6月31日には共同研究者との研究打ち合わせも行い, 本研究課題について多角的な視点から見直す良い機会となり, また他の研究者にも刺激を与える良い機会となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度は海外を含め, 多数の研究集会への参加を計画していたが, 業務の多忙化によりこれらを断念することとなり, 論文発表等も滞っている状況である. とはいえ, 研究集会を開催するなど進展している点もあり, 上記の評価とする.
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今後の研究の推進方策 |
年度中の出来るだけ早い時期に共同研究者を中心とする合宿形式の研究集会を開催し, これまでの成果の整理と, 問題点についての共有・議論を進める. 国内の研究集会等に積極的に参加し, 様々な分野の研究者と情報交換や議論を行う. また, 研究最終年度となるため, これまでの成果のまとめとして1編以上の論文を発表する計画である.
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