研究課題
複素射影空間内の実超曲面で、単位法ベクトルに複素射影空間の複素構造を施すことによって得られる構造ベクトル場ξが主曲率ベクトルであるものは、ホップ超曲面とよばれていて、複素部分多様体上のチューブはその条件をみたすことが知られていた。我々は、複素ユークリッド空間内の複素2次元平面が作る、複素グラスマン多様体の四元数ケーラー構造に関するツイスター空間内の、極大水平複素部分多様体から、複素射影空間内のホップ超曲面が構成できることを示した。負の一定正則断面曲率をもつ複素双曲空間のホップ超曲面については、構造ベクトル場の主曲率の値が大きい場合と小さい場合で、それぞれ構造が知られていたが、統一的な観点からは分かっていなかった。我々は、複素ミンコフスキー空間内の不定値な2次元複素平面が作る、不定値複素グラスマン多様体のパラ四元数ケーラー構造に関する3種類のツイスター空間内の極大水平部分多様体から、複素双曲空間内のホップ超曲面が構成できることを示した。また、複素射影空間内の実超曲面で、φ断面曲率が一定であるものを我々は分類し、(a) 測地的超球面、(b) ξの直交補空間が接分布として積分可能であって、その各葉が複素超平面である「線織実超曲面」と(c) 余次元2の葉層構造をもち、各葉がある複素超平面内の線織超曲面、のいずれかになることを示したが、(c) については具体的な構成法など分かっていなかった。我々は、(b) については複素射影空間内の曲線上の半径π/2のチューブ、(c) については、複素射影空間内の実2次元曲面上の半径π/2のチューブとして実現できることを示した。複素双曲空間内の線織実超曲面については、不定値の複素射影空間内の曲線と対応がつけられることを示して、前者のスカラー曲率が一定であることと、後者が光的であること、および前者が極小であることと、後者が測地線であることを示した。
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