研究実績の概要 |
単連結ユニモジュラー等質Vaisman多様体および等質佐々木多様体の分類問題は,論文「D. Alekseevsky, K. Hasegawa and Y. Kamishima, Homogeneous Sasaki and Vaisman manifolds of unimodular Lie groups」Nagoya Mathematical Journal, Vol. 8 (2019),において解決しました。この結果の応用として,ユニモジュラーVaismanおよび佐々木リー群の分類問題が決定できます。すなわち,対応するリー環の言葉で述べると,改変 (Modification) を除いて「ユニモジュラーVaismanリー環はR x sl(2), R x su(2), R x hのいずれか」に分類され,「ユニモジュラー佐々木リー環はsl(2), su(2), hのいずれか」 に分類される。ここでhはハイゼンベルグ・リー環である。さらに,これらのリー環上の左不変な複素構造を決定できた。この結果は「V. Cortes and K. Hasegawa, Unimodular Sasaki and Vaisman Lie groups」arXiv:2004.02112)」として公開し,現在,学術雑誌に投稿中である。佐々木構造は強擬凸CR構造でいわゆる正規条件 (normality)を満たすものとして捉えることができる。SU(2)上には佐々木構造ではない不変な強擬凸CR構造が入り,複素アフィン空間に埋め込めないCR構造としてよく知られている。一方,最近の結果として,冪零非退化CRリー群はハイゼンベルグ・リー群であり,さらにハイゼンベルグ・リー群上の不変な非退化CR構造を具体的に決定することができました。現在,一般のユニモジュラー非退化CRリー群の分類・構造定理の研究を進めています。
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