研究課題/領域番号 |
16K05125
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 祐二 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 博士研究員 (00647993)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 完全障害理論 / 仮想基本類 / 壁越え公式 / ウーレンベック・コンパクト化 / ゲージ理論 |
研究実績の概要 |
Stanford 大学のNikolas Kuhn 氏と共同で射影曲面上の安定層のモジュライ空間の仮想基本類に対して中島-吉岡型の爆発公式を証明した.さらに,それを用いて望月拓郎氏による射影曲面上で仮想基本類を用いて定義されるDonaldson 不変量が従来の解析的に定義されるそれと我々の仮定の下では一致することを示した.また,Oxford 大学のDominic Joyce 氏およびJacob Gross 氏との共同研究である箙の表現のモジュライ空間の基本類が安定性条件を変えたとき最近Joyce 氏によって構成されたモジュライ空間のホモロジー上の頂点代数を用いて記述できるという研究成果およびゲージ理論,代数幾何学,幾何学的表現論等に現れる種々の「数え上げ不変量」に対する同種の壁超え公式もこの頂点代数を用いて記述できるであろうという予想を記述した論文の改訂作業を行い,改訂版をarXivで公表するとともに専門誌に投稿した.また,National Cheng-Kung University のChih-Chung Liu 氏およびSaskatchwan 大学のSteven Rayan 氏とKapustin-Witten 理論と非可換Hodge 理論との関係について論じた論文が学術専門誌の査読を通り掲載されることとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り,Liu氏,Rayan氏との共著論文が学術専門誌European Journal of Mathematicsの査読を通り掲載されることとなった.また研究打合せを通して,今後の研究の進展に有益な多くのフィードバックを得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度では, Vafa-Witten理論および関連する変形不変量の代数幾何学的研究およびKapustin-Witten方程式に関する研究をさらに進める予定である.いずれも国内外の関連する研究者と議論を重ね進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた出張および物品購入を中止したため残額が生じた.
研究機関の訪問および学会等へ参加を通して行う研究発表・研究打ち合わせ・情報収集のための旅費また書籍等の物品購入に使用する.
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