昨年、 平成30年度は、 本来本研究課題の補助期間の最終年度であったが、 当該年度までに得られていた、 種数gの有向曲面の写像類群の、 gが十分大きい場合に対する 2g+1次元複素線形表現の、 共役を法とした分類結果の細部について検討のため、 海外の研究協力者訪問による、 研究打ち合わせを行うべく調整していたところ、 研究代表者の多忙により日程の調整が付かず、 実施できないで終わることになってしまっていた。 本年、 令和元年度は、 この研究打ち合わせを翌年に実施すべく願い出て、 補助事業期間を1年間延長した年度に当たる。 令和元年度を通じて、 当該研究者を訪問すべく日程の調整に努めたが、 やはり研究代表者の多忙のため、 年度末までに当該研究者訪問のための日程調整はつかなかった。 その上、 年度末に到って、 いわゆるコロナ禍のため海外渡航は不可能な事態になってしまった。 このため、 たいへん残念ながら、 当該研究者との研究打ち合わせを本研究課題の補助事業として実施することは断念した。 これに伴い、 残余の予算の一部を、 国内で年度末に何とか開催され得た国際研究集会に参加のために使用し、 国内外の研究者と知見の交換を行った。 以上の事柄とは別に、 上述した種数gの有向曲面の写像類群の2g+1次元複素線形表現の分類結果については、 令和元年度を通じて、 それまでに準備してあった論文原稿の改良・改訂を続けた。 さらに、この研究結果について、 国内の研究集会にて招待講演を行った。
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